企業経営理論 R05年度 第7問

第7問

M&Aや戦略的提携に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 異業種間のM&Aでは、自社の必要としない資源までも獲得することがあり非 効率が生じやすいが、規模の経済のメリットを享受できる。
  2. 戦略的提携では、パートナーが裏切る可能性があり、それを抑制するために事 前にデューデリジェンスを行うことが必須である。
  3. 戦略的提携では、パートナーに開示する情報を選択することを通じて、パート ナーの学習速度に影響を与えることができる。
  4. 同業種間のM&Aは、範囲の経済と習熟効果の実現というメリットがあること から、異業種間のM&Aに比べて統合コストは低い。
  5. 買収者以外の株主にオプションを与えるなどして買収コストを引き下げようと することを、ポイズンピルと呼ぶ。
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正解:

解答:ウ

M&A・戦略的提携の特性を問う。提携では情報開示の取捨選択を通じて学習競争(ラーニングレース)をコントロールできる点がポイント。

  • ア(×):異業種間M&Aは事業が異なるため、同種事業の量的拡大による「規模の経済」は享受しにくい。期待されるのはむしろ範囲の経済やシナジー。
  • イ(×):デューデリジェンスは買収前の精査として有用だが、提携相手の裏切り抑制策として「必須」とまでは言えない。信頼構築やガバナンス設計など他の手段もある。
  • ウ(○):提携ではパートナーへ開示する情報を選択することで、相手の学習速度を意図的にコントロールできる。提携の本質(協調と競争の両立)を正しく述べている。
  • エ(×):「範囲の経済と習熟効果」は本来、同業種統合の説明としても一部当てはまるが、範囲の経済はむしろ異種事業の組合せで生じる概念であり、説明として不整合。統合コストが低いと断ずるのも一般化しすぎ。
  • オ(×):買収者以外の株主に有利な権利(新株予約権など)を与えて買収コストを引き上げ、買収を防ぐ手法がポイズンピル。「買収コストを引き下げる」は逆で誤り。

よって

#経営戦略・全社戦略#競争戦略#M&A・提携#企業統治・CSR

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