第17問
企業は比較的規模が小さい創業段階から成長して規模が大きくなるためには、一 般に成長段階に応じて異なる経営上の課題を解決していかなければならない。組織 の成長段階と克服すべき課題や有効性に関する記述として、最も不適切なものはど れか。
- ア 企業が多数の機能部門を持つような規模に成長すると、経営者は次第に業務的 決定から離れ、規則や手続きを整備し官僚制的な組織構造を構築する必要が生じ る。
- イ 強力なリーダーシップを持つ企業家によって設立された企業は、必要な資源を 獲得するために資本家や顧客、労働者、供給業者などから正当性を獲得する必要 がある。
- ウ 創業段階を経て環境との安定的な関係の構築に成功した企業では、経営者は非 公式なコミュニケーションを通じた統制から、次第に権限を委譲しつつ、公式の 統制システムを構築しなければならない。
- エ 組織の公式化が進み官僚制の逆機能が顕在化した段階では、公式の権限に依拠 した規則や手続きをより詳細に設計しなければならない。
- オ 単一製品・単一機能で創業した小規模企業が、経営資源を有効に活用するため に垂直統合戦略を採用した場合、集権的な機能別組織へ移行する必要がある。 DKJC-1C
▼ 解答・解説を見る
正解:エ
解答:エ
組織の成長段階(グレイナーの成長モデル等)に応じた課題と対応について、最も不適切なものを選ぶ問題。
- ア(○・適切):多数の機能部門を持つ規模に成長すると、経営者は業務的決定から離れ、規則・手続きを整え官僚制的構造を構築する必要が生じる。妥当。
- イ(○・適切):創業段階の企業は、資本家・顧客・労働者・供給業者などから正当性(legitimacy)を獲得して必要資源を確保する必要がある。妥当。
- ウ(○・適切):安定的な環境関係を築いた企業では、非公式なコミュニケーションによる統制から、権限委譲と公式の統制システム構築へ移行する必要がある。妥当。
- エ(×・最も不適切):公式化が進み官僚制の逆機能(硬直化・形式主義)が顕在化した段階で必要なのは、規則・手続きをさらに詳細化することではなく、調整・協働(チーム制・横断的連携など)によって硬直化を打破することである。「規則や手続きをより詳細に設計しなければならない」は逆機能を一層深刻化させるため、最も不適切。
- オ(○・適切):単一製品・単一機能の小規模企業が垂直統合戦略を採れば、経営資源を有効活用するために集権的な機能別組織へ移行する必要がある。妥当。
よって エ。