第3問
近年、自社の経営資源を活用して成長を図る内部成長とともに、外部企業の経営 資源を使用する権利を獲得するライセンシングや、外部企業の持つ経営資源を取得 して成長を目指していく買収が活発になっている。これらの戦略に関する記述とし て、最も適切なものはどれか。
- ア 相手企業のコア・コンピタンスとなっている技術を自社に吸収し、自社の技術 水準を上げていくためには、買収よりも独占的ライセンシングを活用する方が適 している。
- イ 既存の事業が衰退期に入っている場合、当該業界における市場支配力を高める には、既存の経営資源を活用するための投資を増強していく内部成長よりも、競 合企業を買収する方が適している。
- ウ 国内で高価格な製品を製造・販売している企業が、新興国で新たに低価格製品 を販売して短期間のうちに軌道に乗せるためには、現地の同業企業を買収するよ りも、独自に販売ルートを開拓していく内部成長の方が適している。
- エ 製品メーカーが、稀少性の高い原材料メーカーとの取引を安定化し、取引費用 の削減をしていくためには、買収によって自社に取り込むよりも、ライセンシン グによって関係を構築する方が適している。 DKJC-1C
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正解:イ
解答:イ
内部成長・ライセンシング・買収(M&A)は、必要な経営資源の獲得手段として、対象資源の性質・スピード・支配の必要性から使い分ける。
- ア(×):相手のコア・コンピタンスとなる技術は暗黙知的・組織埋め込み的で、ライセンス契約だけでは自社に十分に移転・吸収できない。技術水準を自社に取り込むには、組織ごと取り込む買収の方が適している。
- イ(○):既存事業が衰退期にあり市場支配力を高めたい場合、新規投資による内部成長は時間がかかり市場全体も縮小局面のため非効率。競合を買収してシェアを統合する方が、短期に市場支配力を高められる。正しい。
- ウ(×):新興国で低価格製品を短期間で軌道に乗せるには、販売ルートや現地知識を持つ現地同業企業を買収する方が早い。ゼロから独自に販売ルートを開拓する内部成長は時間がかかり不適。
- エ(×):稀少性が高い原材料メーカーとの取引を安定化し取引費用を削減するには、買収して垂直統合し自社に取り込む方が適している。ライセンシングは技術利用権の獲得手段であり、原材料の安定確保の手段としては適合しない。
よって イ。