第14問
債務者による詐害的な行為に対する債権者からの権利行使に関する記述として、 最も適切なものはどれか。
- ア 債務者が債権者を害することを知ってした 年前の法律行為を債権者が知って から年が経過するまでは、債権者は詐害行為取消請求に係る訴えを提起するこ とができる。
- イ 債務者が第三者に対して有する債権をもって債権者の一部の者に代物弁済した 場合、代物弁済に供した債権額が消滅した債務額を超過していなければ、他の債 権者に対して詐害行為とはならない。
- ウ 詐害行為によって譲渡された不動産が受益者から転得者へ譲渡され、詐害行為 について受益者は悪意であるが転得者は善意である場合、債権者は詐害行為取消 権を行使することができない。
- エ 新設分割会社が新設分割設立株式会社に承継されない債務の債権者を害するこ とを知って新設分割をした場合、当該債権者は、その新設分割設立株式会社に対 し、承継しなかった財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求できる。 DKJC-1E
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正解:ア
解答:ア
債務者の詐害的行為に対する債権者の権利行使(詐害行為取消権等)に関する問題。出題時H28は民法(債権法)改正前のため、旧426条等を前提に判断する。
- ア(○):詐害行為取消権の出訴期間は、債権者が取消しの原因(債権者を害する事実)を知った時から2年(旧426条前段)。詐害行為が2年前のものであっても、債権者が知ってから1年しか経っていなければ、まだ2年の期間内であり訴えを提起できる。正しい。
- イ(×):第三者に対する債権をもって特定の債権者に代物弁済すること(偏頗行為)は、消滅債務額との均衡にかかわらず詐害行為となり得る。「供した債権額が消滅した債務額を超過していなければ詐害行為とならない」と一律にいえるわけではなく誤り。
- ウ(×):転得者が善意でも、受益者が悪意であれば、債権者は受益者に対して詐害行為取消権を行使できる(少なくとも価額賠償等による行使の余地がある)。「行使することができない」と全否定する点が誤り。
- エ(×):詐害的会社分割において、残存債権者は新設分割設立会社に対し、承継した財産の価額を限度として債務の履行を請求できる(会社法764条等)。「承継しなかった財産の価額を限度」とする点が誤り。
よって ア。