第10問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 事業環境が構造的にも変化する中で、中小企業にとって強みである機動性・柔軟 性等を活かして、既存事業とは異なる事業分野・業種に進出する ① 新事業展開の重要 性が増している。 新事業展開の効果として、収益の向上にとどまらず、企業の知名度や信用力の向 上、従業員のモチベーションの向上といったさまざまな効果が期待できる一方で、 経営資源が限られる中小企業にとっては、 ② 新事業を実施する過程においてさまざま な課題も生じる。このような課題を克服するためには、中小企業同士が互いに連携 し、不足している経営資源を相互補完する企業連携の取り組みも有効であると考え られる。 )
設問1
½ 文中の下線部①について、経済産業省「工業統計表」に基づき、製造業事業所の 従業者規模別の新事業展開実施事業所数の割合)新事業展開割合½を見た場合、最 も適切なものはどれか。 なお、ここで新事業展開は2000 年と2010 年との比較で見るものとし、事業転 換とは新事業展開のうち主力事業が変わったもの、多角化とはこれ以外のものを 示す。また、従業者規模は、小規模事業所)従業者数〜20 人½、中小事業所)同 21 〜300 人½、大事業所)同300 人超½で比較するものとする。
- ア 従業者規模の小さな事業所ほど、新事業展開割合が低い。
- イ 小規模事業所の新事業展開では、多角化を実施した事業所の割合が事業転換 を上回っている。
- ウ 小規模事業所の新事業展開割合は、大事業所を上回っている。
- エ 大事業所の新事業展開では、事業転換を実施した事業所の割合が多角化を上 回っている。
- オ 中小事業所の新事業展開割合は、大事業所を上回っている。 DKJC-1G )
設問2
½ 文中の下線部②について、中小企業庁「中小企業の新事業展開に関する調査」 )2012 年11 月、複数回答½に基づき、過去10 年間に新事業展開を実施した中小 企業について、規模別に新事業展開に際して直面した課題を比較した場合、最も 適切なものはどれか。 なお、ここでの企業区分は中小企業基本法の定義に準ずるものとし、中規模企 業とは小規模企業以外の中小企業を指す。
- ア 小規模企業では、「情報収集力が不足」と回答する企業割合が「自己資金が不 足」と回答する企業割合より高い。
- イ 小規模企業では、「製品開発力、商品企画力が不足」と回答する企業割合が 「自己資金が不足」と回答する企業割合より高い。
- ウ 中規模企業では、「新事業分野の参入障壁」と回答する企業割合が「自己資金 が不足」と回答する企業割合より高い。
- エ 中規模企業では、「新事業を担う人材の確保が困難」と回答する企業割合が 「自己資金が不足」と回答する企業割合より高い。 DKJC-1G
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正解: 設問1 ア 設問2 エ
解答:設問1=ア、設問2=エ
設問1
工業統計表に基づく製造業事業所の従業者規模別の新事業展開割合を問う。経営資源に余裕のある大規模事業所ほど新事業展開に取り組む割合が高く、規模が小さいほど新事業展開割合は低い。
- ア(○):従業者規模の小さな事業所ほど新事業展開割合が低い、という実態に整合する。
- イ(×):小規模事業所で多角化が事業転換を上回るとする点は、データの傾向と合致しない。
- ウ(×):小規模事業所の新事業展開割合が大事業所を上回るとするのは、規模が大きいほど割合が高い傾向に反する。
- エ(×):大事業所で事業転換が多角化を上回るとする点は実態と異なる。
- オ(×):中小事業所の新事業展開割合が大事業所を上回るとするのは、規模が大きいほど高い傾向に反する。
よって ア。
設問2
新事業展開に際して直面した課題を規模別に比較し「最も適切なもの」を問う。中規模企業では、自己資金より人材確保の困難さが大きな課題として挙げられる傾向がある。
- ア(×):小規模企業で「情報収集力が不足」が「自己資金が不足」を上回るとは限らず、小規模企業では資金面の課題が大きい。
- イ(×):小規模企業で「製品開発力・商品企画力が不足」が「自己資金が不足」を上回るとはいえない。
- ウ(×):中規模企業で「新事業分野の参入障壁」が「自己資金が不足」を上回るとする点は適切とはいえない。
- エ(○):中規模企業では「新事業を担う人材の確保が困難」と回答する割合が「自己資金が不足」を上回る、という実態に整合する。
よって エ。