第17問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 経営資源アプローチの提唱者としてしばしば指摘されるエディス・ペンローズ 4Edith Penrose5は、その主著企業成長の理論において企業を、経営資源の集 合体であるとともに、また A としての側面を持つと定式化した。企業が A の側面を持つため、経営者集団自体が最も重要な経営資源となる。ペン ローズは、企業成長について、 B という結論を導き出した。これはペンロ ーズ効果とも呼ばれている。
設問1
5 文中の空欄Aにあてはまる言葉として最も適切なものはどれか。
- ア 株主の代理人
- イ 管理組織
- ウ 事業機会
- エ 生産関数
- オ 利害関係者の連合体
設問2
5 文中の空欄Bにあてはまる記述として最も適切なものはどれか。
- ア 企業規模に関する収穫が一定なら、長期平均費用曲線は水平になる
- イ 企業の規模に限界はないが、その成長率は経営者の学習の速度によって制約 される
- ウ 企業の規模は経営者効用が最大化される点まで成長する
- エ 企業は限界費用と限界収入が一致する点まで、成長することができる
- オ 長期平均費用曲線が最小となる点と長期限界費用曲線が一致する規模まで、 企業規模は成長する DKJC-1C
▼ 解答・解説を見る
正解: 設問1 イ 設問2 イ
解答:設問1=イ、設問2=イ
〔リード〕ペンローズ『企業成長の理論』。企業を「経営資源の集合体」であると同時に「管理組織(administrative organization)」として捉え、未利用の経営資源(特に経営者用役)が成長の駆動力となる。ただし成長の速度は、経営者集団が新たな経営者を育成・吸収する学習速度によって制約される(ペンローズ効果)。
設問1(空欄A。最も適切なもの)
- ア(×):株主の代理人 → エージェンシー理論の文脈であり、ペンローズの定式化ではない。
- イ(○):管理組織 → ペンローズは企業を経営資源の集合体であると同時に「管理組織」として捉えた。経営者集団が最も重要な経営資源となるという後続の文脈とも整合。適切。
- ウ(×):事業機会 → 文脈に合わない。
- エ(×):生産関数 → 新古典派経済学の企業観であり、ペンローズが批判的に乗り越えようとした見方。
- オ(×):利害関係者の連合体 → ステークホルダー論の企業観で、ここでは不適切。
よって設問1は イ。
設問2(空欄B。最も適切なもの)
- ア(×):収穫一定なら長期平均費用曲線が水平になる → 規模に関する経済学的記述で、ペンローズ効果の結論ではない。
- イ(○):企業の規模に限界はないが、その成長率は経営者の学習の速度によって制約される → これがペンローズ効果。企業規模そのものに上限はないが、経営者用役の育成・学習速度が成長率を制約する。適切。
- ウ(×):経営者効用が最大化される点まで成長 → 経営者効用最大化仮説(ウィリアムソン等)であり、ペンローズの結論ではない。
- エ(×):限界費用と限界収入が一致する点まで成長 → 利潤最大化の経済学的条件で、ペンローズ効果ではない。
- オ(×):長期平均費用最小点まで成長 → 最適規模に関する経済学的記述で、ペンローズの結論ではない。
よって設問2は イ。