企業経営理論 H23年度 第10問

第10問

ベンチャー企業と大学や研究機関が連携を図り、イノベーションに取り組む動き が多く見られるようになった。そのような状況や提携に際して考慮するべき問題点 についての記述として最も適切なものはどれか。

  1. ープン・イノベーションを推進するために、大学とベンチャー企業が連携し て、大学から独立した研究機関を設ける試みが行われているが、ベンチャー企業 の資金力が弱いので、そのような研究機関から技術イノベーションが生まれるこ とはほとんど見られない。
  2. 行政による産業クラスター等の技術支援施策を受けて、わが国では大学や研究 機関の技術の民間への移転が活発であり、その結果株式公開に至るベンチャー企 業が多く生まれている。
  3. 国立大学法人が他機関との技術提携をする場合、知財本部やTLO を通じるこ とが義務づけられているため、技術提携コストや調整の負担がかさむことになる が、そのことがベンチャー企業の国立大学との連携を難しくしている。
  4. 大学発ベンチャーが大学や研究機関と連携しながら、自前の技術を進化させた り、不足する技術力を補うことが行われているが、事業として発展するには企業 者能力が重要になる。
  5. 米国に比べてわが国では大学発ベンチャーはあまり成功していないが、その理 由として技術開発者の大学教員が経営に直接関与することが禁じられていること を指摘できる。 ― 12― ◇M3(688―57)
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正解:

解答:エ

ベンチャー企業と大学・研究機関の連携(産学連携・大学発ベンチャー)に関する出題。本問は「最も適切なもの」を選ぶ。

  • ア(×):大学とベンチャーが連携して独立研究機関を設ける試みにおいて、「資金力が弱いので技術イノベーションが生まれることはほとんど見られない」と断定するのは誤り。資金力の弱さが直ちにイノベーションの不在を意味しない。
  • イ(×):産業クラスター等の支援で「技術移転が活発であり、その結果株式公開に至るベンチャーが多く生まれている」と断定するのは、わが国の実態として過大評価で不適切。
  • ウ(×):国立大学法人の技術提携が知財本部やTLOを通じることが「義務づけられている」、それがコスト負担を招き連携を難しくしている、とする因果の断定は不適切。
  • エ(○):大学発ベンチャーが大学・研究機関と連携して自前技術を進化させたり不足技術を補ったりするが、事業として発展するには企業者能力(アントレプレナーシップ)が重要になる。妥当で、最も適切。
  • オ(×):米国に比べわが国の大学発ベンチャーが成功していない理由として「大学教員の経営直接関与が禁じられている」とするのは事実に反する。

よって最も適切なものは

#技術経営・イノベーション#M&A・提携#消費者行動

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