第9問
技術開発に必要な経営資源を「技術革新において中核となる技術上のノウハウ」と その「補完資産」とに分けて考えた場合、ハイテク・ベンチャー企業に関する記述と して、最も不適切なものはどれか。
- ア 多くの顧客に対して販売促進活動を行い、顧客からの注文を受けて製品を届 け、対価を受け取っている企業は、補完資産としての販売力を自社で保有してい る。
- イ 技術革新を商業化して経営成果として結実させるために必要なマーケティング やアフターサービスの活動に関する能力は補完資産として重要である。
- ウ 少数の特定の顧客企業が自社の大部分の製品を購入している場合、補完資産と しての販売力を自社で保有している。
- エ ハイテク・ベンチャー企業の「技術革新において中核となる技術上のノウハウ」 は中核能力として位置づけられ、その獲得は技術革新実現の必要条件である。
- オ ハイテク・ベンチャー企業の「技術革新において中核となる技術上のノウハウ」 を価値連鎖として完結するために、補完資産の外部への依存を考慮することは重 要である。 ― 11― ◇M3(688―56)
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正解:ウ
解答:ウ
ティース(Teece)の補完的資産(complementary assets)の概念に基づく出題。技術革新の成果を経済的価値に結実させるには、中核技術ノウハウだけでなく、製造・販売・アフターサービス等の補完資産が必要。これらを自社保有するか外部に依存するかが論点。
- ア(○):多くの顧客に販売促進し、注文を受けて製品を届け対価を受け取っている企業は、補完資産としての販売力を自社で保有しているといえる。妥当。
- イ(○):技術革新の商業化に必要なマーケティングやアフターサービスの能力は重要な補完資産。妥当。
- ウ(×):「少数の特定顧客企業が自社製品の大部分を購入している」場合、それは特定顧客への依存を意味し、自社が独自の販売力(多数の顧客に販売できる力)を保有していることにはならない。むしろ販売面で顧客に依存している状態であり、「補完資産としての販売力を自社で保有している」とは言えない。最も不適切。
- エ(○):ハイテク・ベンチャーの中核技術ノウハウは中核能力であり、その獲得は技術革新実現の必要条件。妥当。
- オ(○):中核技術ノウハウを価値連鎖として完結させるため、補完資産の外部依存を考慮することは重要。妥当。
よって最も不適切なものは ウ。