財務・会計 H22年度 第14問

第14問

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 B 社は全額株主資本で事業活動を行っており、営業利益の確率分布は下表のとお りで今後毎期一定である。なお、営業利益は税・利息支払前利益(EBIT)に等しい ものとする。 (単位:万円) 好況(確率:0.5) 不況(確率:0.5) 営業利益(EBIT) 1,200 800 (

設問1

) B 社の企業価値は、完全市場の仮定のもとで億円と評価される。 このとき、B 社の事業活動のリスクに対して、市場が要求する株主資本収益率 として最も適切なものはどれか。

  1. 8%
  2. 10%
  3. 12%
  4. 20% ― 14― ◇M2(295―43) (

設問2

) B 社と資産内容が全く同じで、同一の事業を営むC 社が存在するものとす る。したがって、C 社が生み出す毎期のEBIT の確率分布は、B 社と全く同一で ある。ただし、C 社とB 社では資本構成が異なっており、C 社は5,000万円の負 債を利用している。この負債の利子率は%である。この市場において、法人 税のみが存在しその実効税率が40%であるとすれば、B 社の企業価値とC 社の 企業価値との差はどのようになるか、最も適切なものを選べ。

  1. C 社の企業価値はB 社と変わらない。
  2. C 社の企業価値はB 社より200万円小さい。
  3. C 社の企業価値はB 社より2,000万円大きい。
  4. C 社の企業価値はB 社より5,000万円大きい。
▼ 解答・解説を見る

正解: 設問1 設問2

解答:設問1=イ、設問2=ウ

〔リード〕MM理論(モジリアーニ・ミラー)の論点。全額株主資本企業の要求収益率と、法人税ありの場合の負債利用による企業価値差を問う。

設問1(イ)

  • 期待EBIT = 0.5×1,200 + 0.5×800 = 1,000万円
  • B社は全額株主資本なので、EBITは全額株主に帰属(税は設問1では考慮しない完全市場)。
  • 企業価値1億円(=10,000万円)に対する株主資本収益率 = 期待利益1,000 ÷ 企業価値10,000 = 10%
  • ア(×):8%。分母・分子の対応が誤り。
  • イ(○):10%。期待利益÷株主資本(=企業価値)で正しい。
  • ウ(×):12%。過大。
  • エ(×):20%。好況時利益のみで計算した誤り。

設問2(ウ)

法人税のみが存在する場合のMM第1命題(修正命題): 負債利用企業の価値 = 無借金企業の価値 + 負債額×実効税率(負債の節税効果)

  • 企業価値の差 = 負債5,000万円 × 税率0.4 = 2,000万円
  • C社は負債の支払利息による節税効果分だけB社より企業価値が大きい。
  • ア(×):法人税が存在する以上、節税効果で差が生じる。
  • イ(×):200万円。税率を乗じる対象の取り違え。
  • ウ(○):C社はB社より2,000万円大きい。負債5,000×税率0.4で正しい。
  • エ(×):5,000万円。税率を乗じておらず負債額そのもので誤り。

よって 設問1=、設問2=

#税務・税効果#資金調達・配当政策#企業価値評価

← 財務・会計の一覧へ戻る