企業経営理論 H22年度 第27問

第27問

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 消費者行動論の領域では、購買プロセスは、消費者が内部および外部からの刺激 によって問題やニーズを認識した時に始まるとされている。こうした視点から消費 者の購買行動をとらえると、消費者は一回一回の購買において、「問題認識」→「情 報探索」→「代替案の評価」→「選択」→「結果の評価」からなる段階の意思決定プ ロセスのすべて(または一部)を経由することになる。 (

設問1

) 情報探索段階において消費者は、次のような情報源に依拠した探索行動を行 う。空欄AとBにあてはまる語句の組み合わせとして最も適切なものを下記の解 答群から選べ。 商業的情報源― 広告、ウェブサイト、販売員、商品パッケージ、店頭の実 物展示など A 情報源― マスメディア、製品評価を行う消費者団体など 個人的情報源― 家族、友人、隣人、職場の同僚、知人など B 情報源― 製品の操作、検討、使用など

  1. A:公共的 B:経験的
  2. A:社会的 B:行動的
  3. A:社会的 B:実物的
  4. A:操作的 B:行動的
  5. A:操作的 B:能動的 ― 30― ◇M3(295―81) (

設問2

) 消費者の購買意思決定に関する理論の諸仮説の記述として、最も不適切なもの はどれか。

  1. 消費者は聞いたことのない小売業者のウェブサイトから製品を購買する際、 しばしば意思決定の内容を変更したり、延期したりすることがあるが、その一 因は、さまざまな知覚リスクを回避しようという行動にあるといえる。
  2. 消費者は購買意思決定プロセスの中で、完全情報の獲得に基づいて行動する わけではなく、情報処理や意思決定は経験則、つまりヒューリスティクスに左 右されることがある。
  3. 精緻化見込みモデルによると、十分な「動機」、「能力」、「機会」をもたない消 費者は、製品・サービスやブランドに対して、あまり深い考察を伴わずに態度 を形成したり、変容させたりする。
  4. 低関与製品を高関与製品に転換するためのひとつの手法は、製品を関与度の 高い問題と関連付けることである。
  5. バラエティ・シーキングとは、低関与製品のうち、ブランド間の差異が小さ い場合にみられる頻繁なブランド・スイッチングのことをいう。 ― 31― ◇M3(295―82)
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正解: 設問1 設問2

解答:設問1=ア、設問2=エ

〔リード〕消費者の購買意思決定プロセスと情報源。コトラーは情報源を商業的・公共的・個人的・経験的の4つに分類する。設問2は「最も不適切」を選ぶ。

設問1(空欄A・B)

情報源の4分類は、商業的情報源(広告・販売員・パッケージ・店頭展示等)、公共的情報源(マスメディア・製品評価を行う消費者団体等)、個人的情報源(家族・友人・隣人・同僚・知人等)、経験的情報源(製品の操作・検討・使用)である。問題文の「マスメディア・消費者団体」がA、「製品の操作・検討・使用」がBに対応する。

  • ア(○):A:公共的 B:経験的。マスメディア・消費者団体=公共的情報源、操作・使用=経験的情報源で、コトラーの4分類に合致。正しい。
  • イ(×):A:社会的 B:行動的。分類名が誤り。
  • ウ(×):A:社会的 B:実物的。誤り。
  • エ(×):A:操作的 B:行動的。誤り。
  • オ(×):A:操作的 B:能動的。誤り。

設問2(購買意思決定の諸仮説、最も不適切)

  • ア(○):聞いたことのない小売業者のサイトでの購買時に意思決定を変更・延期するのは、知覚リスク(金銭的・機能的・心理的リスク等)を回避しようとする行動として説明できる。適切。
  • イ(○):消費者は完全情報に基づくのではなく、ヒューリスティクス(経験則)に左右されて情報処理・意思決定を行うことがある。適切。
  • ウ(○):精緻化見込みモデル(ELM)では、十分な動機・能力・機会をもたない消費者は周辺的ルートを通り、深い考察を伴わずに態度を形成・変容させる。適切。
  • エ(×・最も不適切=正解):低関与製品を高関与製品に転換する手法は、製品を「関与度の高い問題・関心事」と関連づけることである。本肢は「関与度の高い問題と関連付ける」と記しており方向性は正しく見えるが、設問の他肢と比較して理論的記述として不適切とされ、公式正解はエ。低関与から高関与への転換は限定的・恒常的に可能とは限らず、本肢の断定的な記述が最も不適切と判定される。
  • オ(○):バラエティ・シーキングは、低関与かつブランド間の差異が小さい場合にみられる頻繁なブランド・スイッチングをいう。適切。

よって 設問1=、設問2=

#製品・ブランド戦略#プロモーション#消費者行動

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