第25問
ある地方都市の、手作りの折りたたみ式マウンテンバイクを製造する、小さな町 工場の社長Y 氏は、高視聴率を誇るテレビのビジネス情報番組で自社の製品が紹 介されたことがきっかけとなり、全国から対応しきれないほどの数の引き合いを受 けるようになった。昨今の健康ブームも相まって、自転車通勤に切り替えたり、週 末にサイクリングで名所めぐりをする消費者が全国的に増加していることもあり、 Y 氏はこの機会に自社で手作りする自転車を全国市場で販売することを決心した。 その販売経路政策として、最も不適切なものはどれか。ちなみにY 氏の町工場が 生産する自転車の価格帯は、12万円から20万円程度であり、テレビ報道を機に商 標名の認知度も高まってきている。
- ア 大手自転車メーカーと販売に関する提携をして、適切な小売店に納入してい く。
- イ 各々の地域市場において有力な自動車ディーラーの営業担当者を介した販売を 進めていく。
- ウ 自社製品の露出をできる限り高めるために、開放型チャネル戦略を展開する。
- エ 全国市場でのテスト販売を兼ねて、まずは有力なインターネット・ショッピン グ・モールに出店し、売上の動向や収益性の判断を、相応の時間をかけて行う。
- オ 大都市圏のみに数店舗を構えるライフスタイル型の専門店小売企業に取引先を 限定し、高性能・高級ブランド自転車として販売していく。 ― 28― ◇M3(295―79)
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正解:ウ
解答:ウ
〔リード〕高価格帯(12〜20万円)・手作り・商標認知が高まりつつある高級自転車の販売経路政策。「最も不適切」を選ぶ。高級・高関与製品にはブランド価値を守る選択的・排他的チャネルが適合し、誰でも扱える開放的チャネルは不適合という点が中核。
- ア(○):大手自転車メーカーと販売提携し、適切な小売店に絞って納入していく方法は、自社に流通網のない零細工場が選別された販路へ展開する手段として妥当。
- イ(○):各地域で有力な販売担当者(対面で説明・提案できる営業ルート)を介した販売は、高額・こだわり製品を価値とともに伝える選択的流通として成り立ちうる。
- ウ(×・最も不適切=正解):開放型(開放的)チャネル戦略は、できる限り多くの販売店で広く扱わせて露出を最大化する手法で、最寄品・低関与の量販品に適する。12〜20万円の手作り高級ブランド自転車では、ブランドの希少性・高級イメージを毀損し、販売員による価値訴求もできず不適切。これが最も不適切。
- エ(○):有力なネット・ショッピングモールに出店し、全国でのテスト販売を兼ねて売上動向や収益性を時間をかけて見極める方法は、慎重な全国展開として妥当。
- オ(○):大都市圏に数店舗のみ構えるライフスタイル型専門店に取引先を限定し、高性能・高級ブランドとして販売する方法は、ブランド価値を守る排他的・選択的流通として適切。
よって 最も不適切なものは ウ。