企業経営理論 H22年度 第10問

第10問

マイケル・ポーターは、競争戦略を策定する際に考慮すべき産業の利益率や競争 に影響を与える要因として、下図のつを指摘している。この図に関する説明とし て、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。 つの競争要因

第10問の図
  1. 買い手への対応は、消費者のクレームや消費者行動の変化に対処しつつ、高 いマージンに結びつく市場との良好な関係を構築することが重要である。
  2. 供給業者については、資金や原材料の供給先や労働市場との交渉力の保持が 重要であるので、そのためには特定の資源の供給者に強く依存することなく、 常に代替的な資源の開発に取り組むなど外部への依存性が強くならないように しておくことが重要である。
  3. 競争業者との戦いは、マージンの高いドメインに自社を位置づけて、そこで の防衛的な地位を保つために、徹底した差別化戦略を展開することが第一に重 要である。
  4. 新規参入については、その可能性や参入を受けた場合の競争の変化を分析し て、自社の市場への参入障壁をどのように築くことができるか、日ごろから注 意しておかなければならない。
  5. 代替品は、大きな技術の変化や消費者のニーズの変化によってこれまでにな い新商品として登場し、既存の商品に取って代わる脅威になることがあるの で、技術や市場のマクロなトレンドを見失わないように注意しなければならな い。 ― 11― ◇M3(295―62)
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正解:

解答:ウ

〔リード〕ポーターの「5つの競争要因(ファイブ・フォース)」=買い手・供給業者・競争業者(業界内の敵対関係)・新規参入・代替品、に関する説明として「最も不適切」なものを選ぶ。各要因への対応の妥当性で判断する。

  • ア(×):買い手への対応として、クレームや消費者行動の変化に対処しつつ、高マージンに結びつく市場と良好な関係を築くのは適切。
  • イ(×):供給業者については、特定資源の供給者に強く依存せず代替的資源の開発に取り組み、外部依存を弱めて交渉力を保つことが重要、という記述は適切。
  • ウ(○:最も不適切):競争業者との戦いに対して「徹底した差別化戦略を展開することが第一に重要」と断定する点が不適切。ポーターの基本戦略はコスト・リーダーシップ、差別化、集中の3類型であり、差別化だけが唯一・第一に重要とは言えない。業界構造や自社のポジションによって適切な戦略は異なるため、差別化を最優先と一義的に決めつけるのは誤り。
  • エ(×):新規参入については、参入可能性や参入時の競争変化を分析し、自社が築ける参入障壁に日頃から注意する、という記述は適切。
  • オ(×):代替品は技術や消費者ニーズの変化で新商品として登場し既存品を脅かすため、技術・市場のマクロトレンドを見失わないよう注意する、という記述は適切。

よって

#競争戦略#リーダーシップ#消費者行動

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