企業経営理論 H22年度 第3問

第3問

企業に固有な能力は、自社独特の戦略展開を可能にするものとして重要である。 企業が生産技術にかかわる固有能力を維持したり構築しようとする試みに関する記 述として最も適切なものはどれか。

  1. 業界に普及している汎用設備の導入を進めて、資本装備率の向上を目指してい る。
  2. 現場からの改善提案のうち、全社QC 大会で表彰を受けたものだけを実行して いる。
  3. 現場への新人の投入時に技術指導を中心に導入教育に時間をかけている。
  4. 自社の生産技術を守るべく、生産部門での人事異動も新規採用も行わないこと にしている。
  5. 他社の優れた生産技術を積極的に導入して自社技術を常に一新するようにして いる。 ― 3― ◇M3(295―54)
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正解:

解答:ウ

〔リード〕企業固有能力(コア・コンピタンス)としての生産技術を維持・構築する試みとして「最も適切」なものを選ぶ。固有能力は模倣困難性が肝心で、暗黙知・人材育成・組織的蓄積を通じて築かれる。

  • ア(×):業界に普及している汎用設備の導入は誰でも入手・模倣可能であり、資本装備率は上がっても自社固有の能力にはならない。
  • イ(×):改善提案のうち全社QC大会で表彰されたものだけを実行すると、現場の多様な改善や知の蓄積を切り捨てることになり、固有能力の構築・継続的改善を阻害する。
  • ウ(○):新人投入時に技術指導を中心とした導入教育に時間をかけることは、暗黙知・現場技能の世代間移転(OJT)を促し、模倣困難な生産技術を組織内に維持・蓄積する。固有能力構築の試みとして最も適切。
  • エ(×):人事異動も新規採用も一切行わないと技術が一部の人に固定化・属人化し、技能継承が断たれて固有能力はむしろ失われる。閉鎖は維持策として不適切。
  • オ(×):他社の優れた生産技術を積極導入して自社技術を常に一新すれば、外部依存となり自社独自の蓄積(固有能力)が育たない。

よって

#経営資源・RBV#組織文化・組織学習#人的資源管理

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