経営法務 H22年度 第11問

第11問

日本における知的財産に関する権利を有する者が、自己の権利を侵害すると認め る貨物が輸入されようとする場合に、税関長に対し、当該貨物の輸入を差し止める よう申し立てることが認められているが、必ずしも税関に対する輸入差止請求の対 象とならない貨物として最も適切なものはどれか。

  1. 意匠登録されている意匠に係る物品を権利者に無断でアルゼンチンにおいて製 造し、日本国向けに輸出された物品
  2. 特許発明に係る物品を権利者に無断でインドネシアにおいて製造し、日本国向 けに輸出された物品
  3. 日本国内での商標権者が、タイにおいても同一内容について商標登録を有して いる場合に、権利者からタイでの製造・販売について許諾を受けた者が製造し、 権利者に無断で日本国向けに輸出した商品
  4. 日本国内で発売された音楽CD(コンパクトディスク)と同一内容の音楽CD を 権利者に無断で米国において製造し、日本国向けに輸出された音楽CD ― 14― ◇M5(295―130)
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正解:

解答:ウ

〔リード〕税関による輸入差止め(関税法)の対象は、特許権・意匠権・商標権・著作権等を侵害する貨物。海外で権利者に無断で製造された侵害品(いわゆる海賊版・模倣品)は差止対象となる。一方、商標について真正商品の並行輸入(外国で正当な権利者またはその許諾を受けた者が適法に付した商標を付した真正品を輸入する場合)は、出所表示機能・品質保証機能を害さない限り商標権侵害とならず、差止めの対象とならない。

  • ア(×・対象となる):意匠登録された物品を権利者に無断でアルゼンチンで製造し日本へ輸出する物品は、意匠権を侵害する貨物として差止対象。
  • イ(×・対象となる):特許発明に係る物品を権利者に無断でインドネシアで製造し日本へ輸出する物品は、特許権を侵害する貨物として差止対象。
  • ウ(○・必ずしも対象とならない):日本の商標権者がタイでも同一商標を有し、権利者からタイでの製造・販売の許諾を受けた者が製造した商品を日本に輸入する場合は、真正商品の並行輸入にあたり得る。商標の出所・品質を害さない限り商標権侵害とならず、必ずしも差止請求の対象とならない。最も適切。
  • エ(×・対象となる):国内で発売された音楽CDと同一内容のCDを権利者に無断で米国で製造したものは海賊版であり、著作権(著作隣接権を含む)を侵害する貨物として差止対象。

よって

#特許・実用新案#意匠・商標#著作権#不正競争・独禁法#民法・契約・PL

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