企業経営理論 H21年度 第22問

第22問

価格設定は、企業のマーケティング目的や、消費者心理を反映して行われる。以 下の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. メージ価格設定(イメージ・プライシング)は、消費者の自己イメージ形成欲 求や顕示欲求が強い製品群において、とくに有効である。
  2. 市場浸透価格(ペネトレーティング・プライス)の設定を通じて企業が市場占有 率の最大化を目指すとき、ひとつには経験効果によって生産費用と流通費用が低 減すること、いまひとつは市場の需要の価格弾力性が低いことが、その成功の条 件となる。
  3. 消費者は、特定の製品の価格を正確に記憶していることは少ないが、過去の買 い物経験などを通じて蓄積された内的参照価格と、値札情報など実際の買い物場 面で提示されている外的参照価格の影響を受けて購買意思決定を行う。
  4. 大規模な投資をともなう技術開発をベースとした新製品が市場に投入される 際、上澄み吸収価格(スキミング・プライス)が用いられることが多い。企業がこ の方法を採用するための前提条件は、利益を期待できる十分な数の買い手による 需要が存在すること、さらにはイニシャル・コストが高いことから潜在的な競合 企業の参入が困難なことである。
  5. 同一の製品であっても、国内と海外、シーズン中とオフシーズン、あるいは業 務用と家庭用などの区分によって、消費者間での需要の価格弾力性が異なること がある。 ― 29― ◇M3(557―77)
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正解:

解答:イ

価格設定に関する出題。「最も不適切」型なので、正解=誤った記述を選ぶ。

  • ア(○):イメージ価格設定(プレステージ価格を含む)は、消費者の自己イメージ形成欲求や顕示欲求が強い製品群(高級品・ブランド品など)でとくに有効。価格そのものが品質・ステータスのシグナルとなる。正しい。
  • イ(×:最も不適切=正解):市場浸透価格(ペネトレーション・プライス)は低価格で一気に市場シェア最大化を狙う戦略。成功条件は、経験効果(経験曲線)によるコスト低減が見込めること、そして市場の需要の価格弾力性が高い(値下げで需要が大きく伸びる)ことである。「価格弾力性が低いこと」は誤り。
  • ウ(○):消費者は価格を正確には記憶していないことが多いが、過去の経験から形成される内的参照価格と、店頭の値札等の外的参照価格の影響を受けて購買判断を行う。正しい。
  • エ(○):上澄み吸収価格(スキミング・プライス)は高価格で早期に投資回収を狙う戦略。前提条件として、高価格でも利益を期待できる十分な需要が存在すること、イニシャル・コストが高く潜在的競合の参入が困難なことが挙げられる。正しい。
  • オ(○):同一製品でも国内/海外、シーズン中/オフ、業務用/家庭用などの区分で需要の価格弾力性が異なることがあり、価格差別の根拠となる。正しい。

よって最も不適切なものは

#競争戦略#マーケティング戦略#製品・ブランド戦略#価格・チャネル戦略

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