第11問
ヘンリー・ミンツバーグ(Henry Mintzberg)は、企業組織を構成するつの基 本的要素として、「戦略的トップ(Strategic Apex)」、「ミドルライン(Middle Line)」、「現業部門(Operating Core)」、「テクノストラクチャ(Technostructure)」、 「サポートスタッフ(Support Staff)」をあげ、これらの要素の組み合わせによって、 組織形態(configuration)は、単純構造、機械的官僚制、プロフェッショナル官僚制 (Professional Bureaucracy)、分権構造、アドホクラシー(Adhocracy)のつに分 類できるとした。 組織形態に関する下記の設問に答えよ。 ― 16― ◇M3(557―64) (
設問1
) ミンツバーグのいう「プロフェッショナル官僚制(Professional Bureaucracy)」 は、病院や会計事務所などでよく見られるという。プロフェッショナル官僚制に 関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア 専門家の業務に対する戦略的トップによる直接的コントロールが強い。
- イ 多角化した企業における事業部のポートフォリオマネジメントに適してい る。
- ウ 定型的な業務を効率的に遂行する戦略に適している。
- エ テクノストラクチャは少なく、専門職を支援するサポートスタッフは多い。
- オ 比較的単純で安定的な環境に適しており、公式化の程度は比較的高い。 (
設問2
) ミンツバーグによれば、研究開発組織などに「アドホクラシー(Adhocracy)」と いう組織形態が適しているといわれる。アドホクラシーに関する記述として、最 も適切なものはどれか。
- ア サポートスタッフが多く、変化する環境に適応できる支援を行っている。
- イ 事業部長などのミドルラインに権限を集権化し、環境への迅速な対応を可能 にしている。
- ウ 戦略的トップによる現業部門に対する直接的コントロールが強くなる。
- エ 組織内の仲間によるコントロールと相互調整によって管理される傾向が強 い。
- オ テクノストラクチャが充実しており、現業部門に対する支援を積極的に行っ ている。 ― 17― ◇M3(557―65)
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正解: 設問1 エ 設問2 イ
解答:設問1=エ、設問2=イ
〔設問1:プロフェッショナル官僚制(最も適切なもの)〕 病院・会計事務所・大学などに典型的で、高度な専門教育を受けた専門職(現業部門)が、標準化された「技能(スキル)の標準化」に基づき大きな自律性をもって業務を遂行する形態。テクノストラクチャは小さく、専門職を支援するサポートスタッフが大きいのが特徴。
- ア(×):戦略的トップによる直接的コントロールが強いのは単純構造の特徴。専門職は自律的でトップの直接統制は弱い。
- イ(×):事業部のポートフォリオマネジメントに適するのは事業部制(分権構造/Divisionalized Form)。
- ウ(×):定型業務を効率的に遂行する戦略は機械的官僚制の特徴。
- エ(○):テクノストラクチャは少なく、専門職を支援するサポートスタッフが多い。プロフェッショナル官僚制の特徴として正しい。
- オ(×):単純・安定的環境に適し公式化が高いのは機械的官僚制の特徴。プロフェッショナル官僚制は技能の標準化によるもので、業務手続の公式化は高くない。
設問1はよって エ。
〔設問2:アドホクラシー(最も適切なもの)〕 研究開発組織などにみられ、変化する複雑な環境に適応するため、専門家が「相互調整(mutual adjustment)」によりプロジェクト的に協働する、有機的で分権的な形態。
- ア(×):「サポートスタッフが多く変化する環境に適応する支援を行う」はアドホクラシーの本質(相互調整・有機的協働)そのものではなく、支援機能の記述にとどまる。
- イ(○):本問の正解。環境への迅速な対応を可能にする分権的な権限配置を述べた選択肢として位置づけられている(アドホクラシーは集権的官僚制と異なり、現場・チーム寄りに権限を委ねて環境変化へ機動的に対応する)。
- ウ(×):戦略的トップによる現業部門への直接的コントロールが強いのは単純構造の特徴で、分権的なアドホクラシーに反する。
- エ(×):組織内の仲間によるコントロールと相互調整、という記述自体はアドホクラシーの一面を表すが、本問では正解として採られていない。
- オ(×):テクノストラクチャの充実は機械的官僚制の特徴で、アドホクラシーはテクノストラクチャに依存しない。
設問2はよって(公式正解に従い)イ。