第6問
最近、先端技術を集積したパソコン、デジタルカメラ、薄型テレビなどのデジタ ル製品が相次いで赤字に転落している。その原因として、急速に悪化する景気の影 響をあげることができるが、それ以上に、この分野に特有の競争と収益の構造によ る影響が大きいようである。そのような構造について説明する記述として、最も不 適切なものはどれか。
- ア EMS(Electronic Manufacturing Service)やモジュール部品供給メーカーはシ ステム統合の技術を、レファレンスモデルを通じて提供する場合が多く、製品市 場の参入障壁を低めている。
- イ 主要機能が満たされれば、それ以外の機能を付け加えても購買意欲に結びつか ないので、価格のみが競争優位をもたらす要因になっている。
- ウ 部品と部品を組み合わせるインターフェースの標準化が進展している。
- エ 部品のモジュール化の進展によって、生産工数を減らすことができるので、短 期的にはコストの低下や生産性の向上が期待できるが、その効果は直ちに価格競 争に反映される。
- オ 要素技術についての大きなイノベーションよりも改良された要素部品の組み換 えや製品デザイン変更による製品開発が多く、製品ライフサイクルの短縮化につ ながっている。 ― 10― ◇M3(557―58)
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正解:イ
解答:イ
〔デジタル製品特有の競争・収益構造として最も不適切なもの〕 モジュール化・標準化(オープン・アーキテクチャ)が進むデジタル製品では、参入障壁が下がりコモディティ化・価格競争が激化し、収益が圧迫されるという構造を問う。
- ア(×=適切):EMSやモジュール部品メーカーがレファレンスモデルでシステム統合技術を提供すれば、組立に必要な技術がなくても参入でき、参入障壁が下がる。妥当。
- イ(○=最も不適切):「主要機能さえ満たせば他の機能を付け加えても購買意欲に結びつかず、価格のみが競争優位の要因」という記述は断定が過ぎる。実際にはデザインや付加機能による差別化余地は残り、価格だけが優位要因とは言えない。最も不適切でありこれが正解。
- ウ(×=適切):部品間インターフェースの標準化が進むのはモジュール型製品の特徴。妥当。
- エ(×=適切):モジュール化は生産工数を減らしコスト低下・生産性向上をもたらすが、標準化ゆえ模倣も容易で、効果は直ちに価格競争に反映され収益が圧迫される。妥当。
- オ(×=適切):要素部品の組み換えやデザイン変更による開発が中心となり、製品ライフサイクルが短縮化する。妥当。
よって イ。