企業経営理論 H21年度 第2問

第2問

一般に企業はグローバル化するにつれて、海外でも研究開発活動を展開するよう になる。このことについて説明する記述として、最も不適切なものはどれか。

  1. 海外研究開発拠点の設置は、海外市場や海外生産への依存度が高くなると増え る傾向が見られるが、進出先の研究開発力が劣っているとその傾向は弱まる。
  2. 企業が海外研究開発拠点を設けるのは、技術移転、海外子会社の要請、現地の 研究能力や技術の獲得などのためであるが、逆に国内で研究開発の規模の経済が 大きい場合や技術ノウハウの保護を重視する場合、海外研究開発拠点の開設に消 極的になりやすい。
  3. 国の差異を利用してグローバルに技術ノウハウを蓄積することによって、研究 開発のグローバル・シナジーが実現される可能性が高い場合、海外研究開発拠点 の設置が見られる。
  4. 米国企業では既に1960年代に海外研究開発拠点の設立が見られるのに対し て、日本企業のそれは1980年代に入ってから多くなるが、いずれも企業の海外 進出が本格化したことと関連している。
  5. わが国では研究開発能力の低い産業分野に海外研究開発拠点を設ける例が増加 しており、近年食品や繊維などの分野の中小企業が海外研究開発拠点を開設する 傾向が強まっている。 ― 6― ◇M3(557―54)
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正解:

解答:オ

〔海外研究開発活動の説明として最も不適切なもの〕

  • ア(×=適切):海外研究開発拠点は海外市場・海外生産への依存度が高まると増えるが、進出先の研究開発力が劣ればその誘因は弱まる。妥当。
  • イ(×=適切):海外R&D拠点設置の動機(技術移転・子会社の要請・現地の研究能力獲得)と、消極的になる要因(国内R&Dの規模の経済が大きい、技術ノウハウ保護重視)の対比は妥当。
  • ウ(×=適切):国の差異を活かしグローバルに技術ノウハウを蓄積し、研究開発のグローバル・シナジーを実現できる場合に海外拠点が置かれる、は妥当。
  • エ(×=適切):米国企業は1960年代、日本企業は1980年代に海外R&D拠点設立が本格化し、いずれも海外進出の本格化と関連する、は史実として妥当。
  • オ(○=最も不適切):海外研究開発拠点は本来、現地の高い研究能力・先端技術を取り込むために、研究開発能力の「高い」産業分野・地域に設けられる。「研究開発能力の低い産業分野に設ける例が増加」「食品や繊維など分野の中小企業が海外R&D拠点開設を強めている」という記述は実態に反し不適切。よって正解。

よって

#経営戦略・全社戦略#競争戦略#国際経営

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