第2問
A 株式会社(以下「A 社」という。)は、100パーセント子会社であるB 株式会社に 対し、A 社の事業の一部を分割し、吸収させることを検討している。A 社の貸借対 照表及び分割を検討している資産等の状況は下記のとおりである。これを前提とし た簡易吸収分割(会社法第784条第項)に関する説明のうち、最も適切なものを下 記の解答群から選べ。 A 社貸借対照表 (単位:百万円) 資 産 の 部 負 債 の 部 流動資産 1,050 流動負債 250 固定資産 1,350 固定負債 900 負債合計 1,150 純資産の部 資本金 480 利益剰余金 770 純資産合計 1,250 資産合計 2,400 負債・純資産合計 2,400 A 社が分割を検討している資産、負債の項目及び帳簿価額 (単位:百万円) 資 産 負 債 流動資産 30 流動負債 100 固定資産 200 合 計 230 合 計 100 ― 2― ◇M5(557―115)
- ア 分割対象となる資産合計額から負債合計額を控除した額は億3,000万円 で、A 社の総資産額の分のを下回っているが、20分のを超えるので、 簡易吸収分割の規定が適用とならず、A 社では、吸収分割契約を承認する株主 総会を開催する必要がある。
- イ 分割対象となる資産合計額から負債合計額を控除した額は億3,000万円 で、A 社の純資産額の分のを下回っているので、簡易吸収分割の規定が適 用となり、A 社では、吸収分割契約を承認する株主総会を開催する必要がな い。
- ウ 分割対象となる資産額合計は億3,000万円で、A 社の純資産額の分の を下回っているが、20分のを超えるので、簡易吸収分割の規定は適用とな らず、A 社では、吸収分割契約を承認する株主総会を開催する必要がある。
- エ 分割対象となる資産額合計は億3,000万円で、A 社の総資産額の分の を下回っているので、簡易吸収分割の規定が適用となり、A 社では、吸収分割 契約を承認する株主総会を開催する必要がない。 ― 3― ◇M5(557―116)
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正解:エ
解答:エ
〔リード〕簡易吸収分割(会社法784条)では、分割会社(A社)が承継会社(B社)に承継させる資産の帳簿価額の合計額が、分割会社の総資産額の5分の1(20%)以下であれば、分割会社側で吸収分割契約を承認する株主総会決議を省略できる(簡易分割)。基準となるのは「分割により承継させる資産の帳簿価額の合計」であって、資産から負債を控除した純額でも純資産額との比較でもない点が要注意。
本問の数値:分割対象資産は流動資産30+固定資産200=2億3,000万円(230百万円)。A社の総資産額は2,400百万円。2,400×1/5=480百万円。承継させる資産額230百万円は480百万円以下であり、20分の1(120百万円)は超えるものの、5分の1以下なので簡易吸収分割の規定が適用され、A社で株主総会決議は不要となる。
- ア(×):「資産合計額から負債合計額を控除した額」を基準にしている点が誤り。簡易分割の判定基準は資産の帳簿価額合計であり、純額ではない。結論(株主総会開催が必要)も誤り。
- イ(×):基準を「純資産額」としている点が誤り(正しくは総資産額)。また控除した純額を用いる点も誤り。
- ウ(×):「純資産額の5分の1」を基準とする点が誤り(正しくは総資産額の5分の1)。資産額合計2億3,000万円という数値の把握は正しいが、比較対象を誤っているため結論(適用とならない)も誤り。
- エ(○):分割対象資産額合計2億3,000万円が、A社の総資産額の5分の1(480百万円)を下回るので簡易吸収分割が適用され、株主総会開催は不要。基準・数値・結論いずれも正しい。
よって エ。