第5問
財政の役割に関する説明として最も適切なものはどれか。
- ア ンフレ・ギャップが生じている場合、物価を安定させるために政府支出の縮 小が必要とされる。
- イ 限界貯蓄性向が大きいほど、租税乗数は大きくなる。
- ウ 減税は可処分所得の減少を通じて消費を拡大させ、GDP を増加させる。
- エ 政府支出の拡大と減税を同規模で行った場合、GDP は一定に維持される。
- オ 定率的な所得税は景気後退を自動的に防止する役割を果たすが、これを「裁量 的財政政策」と呼ぶ。 ― 4― ◇M1(743―6)
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正解:ア
解答:ア
〔リード〕財政の役割(乗数・自動安定化装置・均衡予算乗数など)に関する正誤判定。
- ア(○):インフレ・ギャップとは完全雇用GDPを上回る総需要超過の状態。これを解消し物価を安定させるには、政府支出の縮小(または増税)で総需要を抑制する必要がある。正しい。
- イ(×):租税乗数は -c/(1-c)(cは限界消費性向)。限界貯蓄性向s=1-cが大きい(cが小さい)ほど乗数の絶対値は小さくなる。大きくなるとする記述は逆。
- ウ(×):減税は可処分所得を「増加」させ消費を拡大しGDPを増やす。「減少」としている点が誤り。
- エ(×):政府支出拡大と減税を同規模で行えば、政府支出乗数の方が租税乗数(絶対値)より大きいためGDPは増加する(均衡予算乗数=1の考え方)。一定に維持されるとするのは誤り。
- オ(×):定率所得税のように景気変動を自動的に緩和する仕組みは「自動安定化装置(ビルトイン・スタビライザー)」であり、政策当局が裁量で行う「裁量的財政政策」ではない。名称が誤り。
よって ア。