企業経営理論 H20年度 第18問

第18問

中小企業Q 社は、つの主要な部品X とY を組み合わせて商品を生産してい る。部品X は汎用品で、インターフェースは業界全体で標準化されている。一 方、部品Y はQ 社の特注品で、大企業R 社に依頼して生産してもらっている。 このとき、Q 社は、部品X とY を生産している企業との組織間関係をどのよう にすればよいか、最も適切なものを選べ。

  1. 部品X の供給を特定の社から受けることで、規模の経済を実現できるた め、取引コストを低く抑えることができる。
  2. 部品X を供給できる企業が多いので、そのうちの社をQ 社内部に取り込み 部品X を内製化していくことで、より低い取引コストで部品獲得が可能にな る。
  3. 部品Y の技術革新が頻繁に起こる場合には、投資規模があまり大きくないな ら、Q 社は部品Y の生産を内製化し、技術革新がもたらす成果を独占すること で競争優位を維持することができる。
  4. 部品Y を生産している企業R 社にとって、Q 社との取引量が大きい場合に は、Q 社が市場取引関係を通じて部品Y を調達すれば、取引コストは低くな る。
  5. 部品Y を生産するのに大規模な設備投資を必要とする場合には、部品Y の生 産を垂直統合してQ 社の管理下に置くことが望ましい。 ― 25― ◇M3(743―72)
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正解:

解答:ウ

〔リード〕汎用品(部品X、標準インターフェース)と特注品(部品Y、大企業R社に依頼)を組み合わせて生産する中小Q社の組織間関係。取引コスト理論に基づき「最も適切」を選ぶ。資産特殊性が高い取引ほど市場取引のコストが高まり、内部化(垂直統合)や緊密な関係が望ましくなる。

  • ア(×):部品Xは汎用品で供給企業が多い。特定の1社に供給を絞ると、かえって機会主義のリスクや交渉上の不利を招きうる。汎用品は複数供給者から市場取引する方が合理的で、記述は不適切。
  • イ(×):標準化された汎用品Xを供給企業が多数あるにもかかわらず内製化するのは、取引コストの低い市場調達が可能な汎用品をわざわざ抱え込むことになり非効率。「より低い取引コストになる」とはいえず誤り。
  • ウ(○):特注品である部品Yについて、技術革新が頻繁で投資規模が大きくない場合は、Q社が内製化することで技術革新の成果を自社に取り込み(独占し)、競争優位を維持できる。資産特殊性・技術専有の観点から適切。
  • エ(×):特注品Yは資産特殊性が高く、取引量が大きいほど機会主義のリスクや交渉コストが増す。市場取引で調達すれば取引コストは「低くなる」のではなく高くなる。誤り。
  • オ(×):部品Yの生産に大規模な設備投資が必要なら、中小のQ社が垂直統合して自社管理下に置くのは投資負担が過大で現実的でない。R社に委ねる方が合理的で、記述は不適切。

よって、最も適切な

#競争戦略#技術経営・イノベーション#組織理論・コンティンジェンシー

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