第5問
日本のベンチャー企業をめぐる動向に関する記述として、最も不適切なものはど れか。
- ア TLO や産学連携活動を通じて大学の知的資源の市場化が進んでおり、起業家 的人材教育とあいまって、大学発ベンチャーの数は着実に増加している。
- イ 新興業界では、いち早く技術やマーケティングの優位性を確立して、業界の競 争ルールに影響力を持つことができると、先行者優位を享受することができる。
- ウ 大企業からのスピンアウトによるハイテク・ベンチャーが少ないのは、発明者 に報いることなく特許がすべて会社の知財になってしまったり、終身雇用慣行の ため独立意識が低いからである。
- エ 知財権保護の法的整備が進むにつれて、技術特許のビジネス化が可能になって おり、ハイテクを武器にするベンチャー企業の創業が多くみられるようになっ た。
- オ ベンチャー企業への支援制度をみると、人材や経営能力などの資金以外の経営 資源の不足を克服するには必ずしも十分ではないが、資金助成や税制優遇などは 多様化してきている。 ― 4― ◇M3(743―51)
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正解:ウ
解答:ウ
〔リード〕日本のベンチャー企業をめぐる動向。「最も不適切」を選ぶ。
- ア(○):TLO(技術移転機関)や産学連携による大学知財の市場化、起業家教育の進展により大学発ベンチャーが増加しているのは事実。妥当。
- イ(○):新興業界で技術・マーケティングの優位を早期確立し競争ルールに影響力を持てば、先行者優位(先発者利得)を享受できる。妥当。
- ウ(×):「特許がすべて会社の知財になってしまう」という説明が誤り。日本でも職務発明制度の下、発明者には相当の対価(報酬)を受ける権利が認められており、発明者に一切報いない仕組みではない。スピンアウトが少ない理由づけとして不適切。
- エ(○):知財権保護の法整備が進み技術特許のビジネス化が可能になることで、ハイテク・ベンチャーの創業が増えるという記述は妥当。
- オ(○):ベンチャー支援制度のうち資金助成や税制優遇は多様化してきたが、人材・経営能力など資金以外の経営資源不足の克服には必ずしも十分でない、という現状認識は妥当。
よって、最も不適切な ウ。