財務・会計 H19年度 第16問

第16問

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

第16問の図

設問1

) A投資案とB 投資案のNPV の標準偏差に関する記述として、最も適切なもの はどれか。 ただし、NPV を計算する際の各期の割引率は、A投資案、B 投資案とも同じ とする。また、キャッシュ・フローの各期相互の相関係数も、A投資案、B 投資 案とも同じとする。

  1. A投資案とB 投資案のNPV の標準偏差は同じである。
  2. A投資案のNPV の標準偏差はB 投資案のそれより大きい。
  3. B 投資案のNPV の標準偏差はA投資案のそれより大きい。
  4. NPV の標準偏差は相関係数の水準に依存するので、A投資案のNPV の標準 偏差がB 投資案のそれより大きいとか小さいとかは一概には言えない。 (

設問2

) リスク調整割引率法により投資案のNPV を算出する場合の記述として、最も 適切なものはどれか。ただし、キャッシュ・フローが確実に生じる場合の割引率 を毎期10%とする。

  1. 毎期のリスク・プレミアムが%のとき、A投資案が選択される。
  2. 毎期のリスク・プレミアムが%のとき、B 投資案が選択される。
  3. 毎期のリスク・プレミアムが%のとき、A投資案が選択される。
  4. 毎期のリスク・プレミアムが9.5%と12.6%の間にあるとき、A投資案が 選択される。 ― 15― ◇M2(023―37)
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正解: 設問1 設問2

解答:設問1=ア、設問2=ア

設問1(NPVの標準偏差の比較):

NPVは各期キャッシュ・フローを割り引いて合計したものであり、その標準偏差は各期CFの標準偏差・割引率・各期相互の相関係数によって決まる。本問は「割引率は両案とも同じ」「各期相互の相関係数も両案とも同じ」と条件づけられている。

各期のキャッシュ・フローの標準偏差(リスクの大きさ)が両案で等しい場合、割引率と相関構造が同一である以上、割引後CFの分散の合計(NPVの分散)も等しくなり、NPVの標準偏差は両案で同じとなる。

  • ア(○):上記の理由により両案のNPVの標準偏差は等しい。
  • イ・ウ(×):一方が大きいとする根拠がない(各期CFの標準偏差・割引率・相関がそろっていれば差は生じない)。
  • エ(×):相関係数は両案で同一と前提されており、「相関に依存して一概に言えない」とするのは前提を無視しており誤り。

よって設問1は

設問2(リスク調整割引率法による選択):

リスク調整割引率法では、確実なCFに対する割引率(=10%)にリスク・プレミアムを上乗せした「リスク調整後割引率」で各案のNPVを算定し、NPVの大きい案を選択する。リスク・プレミアムが高いほど割引率が大きくなり、将来CFが大きく不確実な案ほどNPVが相対的に低下する。

与えられたリスク・プレミアム水準のもとで両案のNPVを比較すると、当該プレミアム率では A投資案のNPVがB投資案を上回り、A投資案が選択される

  • ア(○):当該リスク・プレミアム率のとき、A投資案のNPVが大きく選択される。
  • イ(×):同一プレミアム率でB投資案が選択されるとするのは計算と逆で誤り。
  • ウ(×):別のプレミアム率を前提としており当てはまらない。
  • エ(×):示された範囲ではA投資案が選択されるとは限らず、設定された区間が誤り。

よって設問2は

#キャッシュフロー#投資意思決定・NPV#証券投資・ポートフォリオ

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