第13問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 経営組織において 集団は、個人が直接帰属意識を感じる準拠枠を提供するととも に、社会的欲求を充足する基本的単位として重要な役割を果たしている。 集団圧力 は参加者に同調行動を促すため、集団のリーダーは集団規範の形成や組織文化の形 成に大きな影響を与える。役割や規則がとかく重視される公式組織に、価値を注入 して活性化するリーダーシップの機能は、 といわれる。 (
設問1
) 文中の下線部の集団のダイナミクスに関する記述として最も適切なものはど れか。
- ア 集団圧力が強く作用する非公式集団が多いほど、上位の公式組織の目標達成 度は高くなる。
- イ 集団圧力の強さは、その集団が個人にとっての環境をコントロールできる範 囲が拡大するにつれて小さくなる。
- ウ 集団に対する外部からの脅威は、集団の凝集性を高め、個人が集団の価値と 一体化する可能性を高める。
- エ 集団の規模が大きいほど、その集団の組織内での威信が高くなるから、個人 が集団の価値と一体化する度合いは強くなる。 ― 16― ◇M3(023―57) (
設問2
) 文中の下線部に関する記述として最も適切なものはどれか。
- ア 集団の規模が大きくなると、個人の努力と集団の成果の関係が明確になるた め、「ただ乗り」するメンバーが出てくる可能性は高くなる。
- イ 集団の規模が大きくなるほど、またメンバーが経験を共有する期間が長いほ ど、集団の凝集性も高くなる。
- ウ 集団の凝集性が高くなるほど、生産性も向上する。
- エ 集団のメンバーがコンセンサスを重視しすぎると、「グループシンク(group think)」と呼ばれる現象に陥る可能性が高まる。
- オ 同質性の高い集団の方が、個人の場合よりも、よりリスクの低い意思決定を 行う傾向がある、このことを「グループシフト(group shift)」という。 (
設問3
) 文中の空欄に入る言葉として最も適切なものはどれか。
- ア 温情型リーダーシップ
- イ 権威主義的リーダーシップ
- ウ 参加型リーダーシップ
- エ 制度的リーダーシップ
- オ リーダーの連結ピン機能 ― 17― ◇M3(023―58)
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正解: 設問1 ウ 設問2 エ 設問3 エ
解答:設問1=ウ、設問2=エ、設問3=エ
設問1(集団のダイナミクスに関して最も適切なもの)
- ア(×):集団圧力の強い非公式集団が多いほど上位の公式組織の目標達成度が高くなるとは限らない。非公式集団の規範が公式目標と対立すれば達成度は下がる。誤り。
- イ(×):集団が個人の環境をコントロールできる範囲が拡大するほど、個人は集団に依存し集団圧力は強く作用する。「小さくなる」は逆で誤り。
- ウ(○):外部からの脅威は集団の凝集性を高め、個人が集団の価値と一体化する可能性を高める。正しい。
- エ(×):集団規模が大きいほど威信が高まり一体化が強まる、とは一概に言えない。規模が大きいと凝集性や一体化はむしろ低下しうる。誤り。
よって ウ。
設問2(集団に関して最も適切なもの)
- ア(×):集団規模が大きくなると個人の努力と成果の関係が不明確になり、フリーライダー(ただ乗り)が出やすくなる。「明確になる」は逆で誤り。
- イ(×):集団規模が大きいほど凝集性が高まるとは限らず、一般に大規模化は凝集性を低下させる。誤り。
- ウ(×):凝集性が高いほど生産性が向上するとは限らない。集団規範が低生産性を志向すれば凝集性が高いほど生産性は低下する。誤り。
- エ(○):コンセンサスを重視しすぎると集団浅慮(グループシンク)に陥る可能性が高まる。正しい。
- オ(×):グループシフトはむしろ集団討議により個人より極端な(しばしばよりリスクの高い)意思決定に傾く現象であり、「よりリスクの低い意思決定を行う」とする記述は誤り。
よって エ。
設問3(公式組織に価値を注入し活性化するリーダーシップ機能を表す語)
空欄は「役割や規則が重視される公式組織に価値を注入して活性化する」リーダーシップ機能を指す。これはセルズニックのいう「制度的リーダーシップ(institutional leadership)」である。
- ア(×):温情型リーダーシップ。該当せず。
- イ(×):権威主義的リーダーシップ。該当せず。
- ウ(×):参加型リーダーシップ。該当せず。
- エ(○):制度的リーダーシップ。組織に価値を注入し制度化する機能を指し、空欄に合致。
- オ(×):リーダーの連結ピン機能(リッカート)は集団間を連結する機能であり、価値注入の機能とは異なる。該当せず。
よって エ。