第36問
ソーシャル・マーケティングおよびソサイエタル・マーケティングに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア M. ポーターが提唱した CSV という概念は、競争優位の確立には株主価値の向上がとりわけ重要であることを意味している。
- イ P. コトラーが提唱したソーシャル・マーケティングは、マーケティング概念を拡張し、その諸技法を営利企業だけではなく、教会、病院、大学、政府などの非営利組織にも適用するという考えに基づいている。
- ウ 「売り手よし、買い手よし、世間よし」という近江商人の三方よしの精神は、寄付などの社会貢献をする際にも営利優先の前提があったため、ソサイエタル・マーケティングの発想とは大きく異なるものと言える。
- エ アメリカのあるクレジットカード会社による自由の女神修復キャンペーンのように、売上の一部を社会的大義のもとで寄付を行うプロモーション活動は、コーズリレーテッド・マーケティングと呼ばれている。これは、企業利益よりも社会的利益と顧客満足を優先している点で、ソサイエタル・マーケティングの手法と言える。
- オ ソサイエタル・マーケティングの潮流は、1962 年のケネディ大統領の一般教書演説の中の消費者の 4 つの権利によって生まれた。それらは、安全が確保される権利、選択する権利、知らされる権利、被害の救済を受けられる権利であり、日本にも導入され、消費者基本法にも定められている。
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正解:イ
解答:イ(コトラーのソーシャル・マーケティングは非営利にも適用)
社会性を重視するマーケティングの諸概念を問う問題です。
- ア(×):ポーターのCSV(共通価値の創造)は、社会的価値と経済的価値を同時に生む考え方。株主価値向上を最重要とするものではない。
- イ(○):コトラーのソーシャル・マーケティングは、マーケティングの概念・技法を営利企業だけでなく教会・病院・大学・政府など非営利組織にも適用する考え方。正しい。
- ウ(×):近江商人の「三方よし」は世間(社会)への配慮を含み、ソサイエタル・マーケティングの発想に通じる。「大きく異なる」は誤り。
- エ(×):コーズリレーテッド・マーケティングは企業利益と社会貢献を両立させる手法。「企業利益より社会的利益を優先」とまで言うのは不正確。
- オ(×):ケネディの消費者4つの権利は「安全・知らされる・選択・意見が反映される(意見を聴かれる)権利」。「被害の救済を受ける権利」は含まれない。
よって イ。