企業経営理論 R08年度 第16問

第16問

H. サイモンによって提唱された意思決定論に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 価値前提とは、意思決定において追求すべき目的や規範に関する前提であるが、その真偽を客観的な手段で検証できない前提は除外される。
  2. 事実前提とは、意思決定における手段や因果関係に関する前提であり、「わが社は短期利益よりも顧客信頼を優先する」といった意思決定の評価軸を指す。
  3. 組織における教育・訓練の目的とは、意思決定に必要な思考の枠組みや価値基準を与えることにより、組織メンバーが意思決定前提に頼らずに自律的に意思決定できるようにすることである。
  4. 組織における権限には、意思決定に際して上司が伝える意思決定前提を一人ひとりの部下が自ら吟味せずに受容することを促す側面がある。
  5. 組織メンバーが組織と一体化することは、組織の価値前提と組織メンバーの目的との乖離を拡大させるように作用する。
▼ 解答・解説を見る

正解:

解答:エ(権限は意思決定前提の無吟味な受容を促す)

サイモンは、意思決定を「価値前提(目的・目標に関する前提)」と「事実前提(手段・因果に関する前提、真偽検証可能)」に分けました。人間は限定合理性の下で意思決定します。

  • ア(×):価値前提は目的・規範に関する前提で、その真偽は客観的に検証できないもの。「検証できない前提を除外」は誤り。
  • イ(×):「顧客信頼を優先する」という評価軸は価値前提。事実前提の説明としては誤り。
  • ウ(×):教育・訓練は組織メンバーに意思決定前提を植え付けるもの。「前提に頼らず自律的に」は逆。
  • エ(○):権限には、上司が伝える意思決定前提を部下が自ら吟味せず受け入れることを促す側面がある。正しい。
  • オ(×):組織との一体化(同一化)は、組織目的とメンバー目的の乖離を「縮小」させる。「拡大」は誤り。

よって

#組織理論・コンティンジェンシー#組織構造

← 企業経営理論の一覧へ戻る