企業経営理論 R08年度 第13問

第13問

スリーサークルモデルは、ファミリービジネスのシステムを、互いに重なり合う部分を持つ「オーナーシップ(所有)」 「ファミリー(家族)」の 3 つの「ビジネス(事業)」サブシステムで表す(下図参照)。以下の文章を読み、問いに答えよ。ファミリービジネスである株式会社X社は、創業者A氏によって設立された。創業者A氏は同社の代表取締役社長としてX社の 50 % の株式を保有しており、家族の中で唯一X社の株式保有者であった。やがて創業者A氏の高齢化に伴い、創業者A氏の子であるB氏がX社の専務取締役として入社した。その後しばらくしてB氏は創業者A氏から事業承継し、X社の代表取締役社長となり、かつ創業者A氏からX社の株式の 20 % を譲渡された。創業者A氏は代表取締役会長となった。しかしその後、市場の変化に対応するための経営方針について、創業者A氏と、社長としてかじ取りをしていた後継者B氏との間に意見の相違が発生し、株主総会で創業者A氏と後継者B氏が真っ向から対立する事態となった。結果、X社の15 % の株式をもつ機関投資家Y社からの支持を得た後継者B氏の経営方針が採用された。これを受けて、創業者A氏は保有する全株式を市場で売却し、その後X社の代表取締役会長を退任し退社した。その後、後継者B氏は組織改革を進めたが、経営状態はさらに悪化した。これをみた機関投資家Y社は持ち株全てを株式会社Z社に売却した。これを受けて、後継者B氏は株式を保有したままX社の代表取締役社長を退任し退社した。その後、X社の社員が同社の新社長に就任した。以下の表は、X社における創業者A氏と後継者B氏のスリーサークル上のポジション(前ページの図のa~g)の変化を示している。表の中の空欄①~④に当てはまるスリーサークル上のポジションの組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

第13問の図
  1. ①:a ②:d ③:f ④:b
  2. ①:a ②:g ③:d ④:b
  3. ①:a ②:g ③:d ④:g
  4. ①:b ②:b ③:d ④:g
  5. ①:b ②:c ③:f ④:g
▼ 解答・解説を見る

正解:

解答:イ(①a ②g ③d ④b)

スリーサークルモデルは「オーナーシップ(所有)」「ファミリー(家族)」「ビジネス(事業)」の3円の重なりで立場を表します。3円が重なる中心が全部該当(a)、家族のみ(g)、家族+所有(b)、家族+事業(d)と各人の立場を追います。

  • 創業者A:承継までは社長・株主・家族=3つ全部=a。承継時も会長(事業)・株主30%・家族なので①=a。A退任時は全株売却・退任済で家族のみ=②=g(退社後gと一致)。

  • 後継者B:入社~承継までは専務(事業)・家族で未保有=家族+事業=③=d。承継時・A退任時は社長・株主・家族=a。退任・退社後は株式を保有したまま退社なので所有+家族=④=b。

  • イ(○):①a②g③d④bで、上記の各局面の立場変化と完全に一致する。正しい。

  • 他の選択肢は、Bの入社時を所有ありとする(bやc)など、株式保有・役職の事実関係と矛盾する。

よって

#経営戦略・全社戦略#企業統治・CSR

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