企業経営理論 R08年度 第1問

第1問

企業の内部環境分析の 1 つである VRIO 分析の考え方に基づく、ある企業の持つ経営資源の評価に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 業界トップのブランド力を有し、他社がそれを模倣するのは極めて困難である。また、その利用体制も組織的に整備されており、当該ブランドを冠する製品やサービスは顧客の支払意思額を高めている。この場合、そのブランドは企業に対して「持続的な競争優位」をもたらすと評価される。
  2. 現時点でそのノウハウの商業的な利用機会は見いだせず、将来においても経済的な価値創出を期待することができない。しかし、長年の試行錯誤や人間関係によって築かれ、組織的な活用体制も整えられており、他社による模倣が事実上困難なノウハウである。この場合、そのノウハウは企業に対して「持続的な競争優位」をもたらすと評価される。
  3. 顧客に提供する価値の源泉となっており、現時点では他社が保有していない希少な技術である。組織的な活用体制も構築されている。しかし、近い将来に、代替手段が低コストで利用可能となる見込みが高い。この場合、その技術は企業に対して「競争劣位」をもたらすと評価される。
  4. 製品化に不可欠な原材料であり、それを投入することで顧客ニーズを的確に捉え売上向上に寄与している。しかし、他社も同様の原材料を容易に入手し活用している。この場合、その原材料は企業に対して「一時的な競争優位」をもたらすと評価される。
  5. その業界では代表的なサプライヤーから調達可能であり、自社を含む多くの企業が同等の設備を既に導入している。しかし、その設備は当該製品の生産に不可欠であり、組織的な利用体制も整っている。この場合、その設備は企業に対して「競争劣位」をもたらすと評価される。
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正解:

解答:ア(価値・希少性・模倣困難・組織の4つで判定)

VRIO分析は、経営資源を「価値(Value)→希少性(Rarity)→模倣困難性(Imitability)→組織(Organization)」の順で評価する枠組みです。価値がなければ競争劣位、価値はあるが希少でなければ競争均衡、希少だが模倣容易なら一時的優位、模倣も困難で組織的活用体制も整えば持続的競争優位となります。

  • ア(○):模倣困難なブランドを組織的に活用し、支払意思額(価値)も高めている。4条件すべて満たすので持続的競争優位。正しい。
  • イ(×):現在も将来も経済的価値を生まないため、そもそも「価値」がなく競争優位にならない。
  • ウ(×):現時点で価値・希少性・組織を満たすなら少なくとも一時的優位。将来の代替をもって現時点を「競争劣位」とするのは誤り。
  • エ(×):他社も容易に入手・活用できる=希少性なし。一時的優位ではなく競争均衡。
  • オ(×):価値も組織的活用もあるが希少性がない状態で、競争劣位ではなく競争均衡。

よって

#経営資源・RBV#競争戦略

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