企業経営理論 R07年度 第15問

第15問

組織構造や管理システムに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. J. ウッドワードによれば、「単品生産・小規模バッチ生産」から「大規模バッ チ・大量生産」、さらに「装置生産」へと技術の複雑性が高まるにつれて、組織の 階層数は増加し、管理者や監督者の全従業員に対する割合、および直接労働者に 対する間接労働者の割合も高くなる。
  2. J. ウッドワードによれば、「単品生産・小規模バッチ生産」や「装置生産」を行う 企業では、作業の標準化と手順の明確化が重要であり、「機械的管理システム」の 導入が最も適している。
  3. P. ローレンスとJ. ローシュによれば、不確実性の高い環境で高業績をあげて いた組織は、組織全体を統合する取り組みをできる限り抑えながら、各職能部門 がそれぞれのタスク環境に適応できるよう高度に分化していた。
  4. T. バーンズとG.M. ストーカーによれば、「有機的管理システム」は、組織メン バーの職務内容や役割に柔軟性を持たせる一方で、情報と意思決定の権限を上位 に集中させることにより、組織の分化と統合の両立を実現できる。
  5. T. バーンズとG.M. ストーカーによれば、組織のライフサイクルにおいて、起 業者段階や共同体段階では「有機的管理システム」が採用されるが、公式化段階や 精巧化段階に移行すると、「機械的管理システム」が採用される傾向が高くなる。
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正解:

解答:ア

コンティンジェンシー理論(ウッドワード、ローレンス&ローシュ、バーンズ&ストーカー)の論点を問う問題。

  • ア(○):ウッドワードの研究では、技術の複雑性が「単品・小ロット生産」→「大量生産」→「装置生産」と高まるにつれ、管理階層数が増加し、管理者・監督者の比率や間接労働者の比率も高まる傾向が示された。記述は正しい。
  • イ(×):ウッドワードによれば、機械的管理システム(標準化・手順明確化)が適合的なのは中間の「大量生産」である。両端の「単品・小ロット生産」や「装置生産」では有機的管理システムが適合する。
  • ウ(×):ローレンス&ローシュは、不確実性の高い環境で高業績の組織は、各部門が高度に分化すると同時に、それを束ねる統合の仕組みも高度に発達していたとした。統合を抑えるのではなく、分化と統合の両立が要点。
  • エ(×):バーンズ&ストーカーの有機的管理システムは、情報や意思決定権限を上位に集中させるのではなく、下位・横方向に分散させ柔軟に対応する点に特徴がある。権限を上位集中とするのは機械的システムの特徴。
  • オ(×):起業者段階・共同体段階で有機的、公式化段階・精巧化段階で機械的という組織ライフサイクル論は、バーンズ&ストーカーではなくグレイナーらの成長段階モデルに関する議論。提唱者が誤り。

よって

#技術経営・イノベーション#組織構造#組織理論・コンティンジェンシー

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