第8問
以下は、ある海外企業との販売基本契約書において規定された紛争解決に関する 条項である。 この契約条項に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 Article XX (Governing Law and Dispute Resolution) 1. This Agreement shall be governed by and construed in accordance with the laws of Japan, without reference to conflict of laws principle. 2. All disputes, controversies or differences arising out of or in connection with this Agreement shall be finally settled by arbitration in Tokyo, Japan in accordance with the Commercial Arbitration Rules of the Japan Commercial Arbitration Association. The number of arbitrators shall be three. Each party shall be entitled to appoint one arbitrator. The two arbitrators appointed by the parties shall select the third arbitrator. The award of the arbitrators shall be final and binding upon the parties. The arbitration proceedings shall be conducted in English.
- ア 仲裁手続は、中立的な第三者である3名の仲裁人によって当事者の話し合い を仲介することで紛争の解決を目指す手続きであり、当事者に紛争の解決に関 する合意が成立しない場合には不成立となる。
- イ 仲裁判断は、当事者を法的に拘束するが、判断内容に不服がある場合には原 則として裁判所に不服の申立てをすることができる。
- ウ 仲裁手続は、日本商事仲裁協会の商事仲裁規則に従って、3名の仲裁人に よって、英語で行われる。
- エ 仲裁手続は、日本の東京で行われるため、国際商業会議所の商事仲裁規則に 従って、契約条項の定めにかかわらず、日本語で行われ、準拠法は日本法とな る。
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正解:ウ
解答:ウ
英文の仲裁条項(準拠法・仲裁地・仲裁機関・仲裁人数・言語)を正確に読み取る問題。条項は「準拠法=日本法、仲裁地=東京、機関=日本商事仲裁協会(JCAA)の商事仲裁規則、仲裁人3名、手続言語=英語」と定めている。
- ア(×):仲裁は、仲裁人が当事者の話合いを仲介して合意を目指す手続(調停・あっせん)ではない。仲裁は仲裁人が拘束力ある仲裁判断を下す手続であり、合意が成立しなくても仲裁判断によって解決される。「合意が成立しない場合は不成立」は誤り。
- イ(×):仲裁判断は確定判決と同一の効力を有し、当事者を法的に拘束する。不服があっても原則として裁判所に上訴・不服申立てはできず、限定的な取消事由がある場合に取消しを求めうるにとどまる。「裁判所に不服申立てができる」は誤り。
- ウ(○):条項どおり、JCAAの商事仲裁規則に従い、3名の仲裁人によって、英語で手続が行われる。条項の内容に合致する。
- エ(×):条項は機関を「日本商事仲裁協会(JCAA)」、言語を「英語」と定めており、「国際商業会議所(ICC)の規則」「日本語」「契約条項の定めにかかわらず」とする記述は条項に反し誤り。
よって ウ。