経営法務 R07年度 第7問

第7問

以下の会話は、X株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役甲氏と、中小企業 診断士であるあなたとの間で、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。) に関して行われた会話である。なお、X社は、中小の部品製造メーカーであり、下 請法上の親事業者となる大手取引先から発注を受けて、下請法の適用対象となる取 引を行っていることを前提とする。この会話に基づき、会話の中の空欄AとBに入 る記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 甲 氏:「最近、親事業者からの発注で、納品後の支払いが遅いことが気になって います。先日も、当月納入分を翌月納入分として扱って欲しいとの依頼が あったため、やむを得ずこれに応じることとしました。」 あなた:「下請法では、親事業者は納品物を受領した日から60 日以内のできる限り 短い期間内に下請代金を支払う義務があるとされていますね。」 甲 氏:「実際の納品日から計算してみると、当月納入分が翌月納入分とされてし まったので、支払日までは60 日以上が経過していました。」 あなた:「この場合、 A 。」 甲 氏:「なるほど。ところで、労務費や原材料費が上昇しているのに、値上げ交 渉に応じてもらえません。」 あなた:「下請法では、親事業者が下請事業者に対して不当に不利な条件を押し付 けることを禁止しています。値上げ交渉を一方的に拒否する行為は、禁止 事項に該当する可能性がありますね。」 甲 氏:「先日まで原価コストが上昇していることを説明して値上げを求めてかな り交渉したのですが、親事業者側にはまったく応じてもらえず、今年は現 行の取引価格で据え置くことを渋々受け入れました。特にその理由を書面 や電子メールなどでは説明してもらってはいません。」 あなた:「そうですか。 B 。」 甲 氏:「こうした問題は、どこに相談すればよいでしょうか。」 あなた:「弁護士さんに相談に乗ってもらえると思います。」

  1. A:下請代金を60 日以内に支払わないことを両者間で合意しているので、 下請法上の問題にはならないと考えられます B:親事業者の販売製品に価格転嫁しない理由を書面や電子メールなどで下 請事業者に回答することなく、従来どおりに取引価格を据え置くこと は、買いたたきに該当し、下請法上の問題になる可能性があります
  2. A:下請代金を60 日以内に支払わないことを両者間で合意しているので、 下請法上の問題にはならないと考えられます B:今回、御社も合意されたということであれば、下請法上の問題にはなら ないと考えられます
  3. A:下請代金を60 日以内に支払わないことを両者間で合意している場合で あっても、下請法上の問題になります B:親事業者の販売製品に価格転嫁しない理由を書面や電子メールなどで下 請事業者に回答することなく、従来どおりに取引価格を据え置くこと は、買いたたきに該当し、下請法上の問題になる可能性があります
  4. A:下請代金を60 日以内に支払わないことを両者間で合意している場合で あっても、下請法上の問題になります B:今回、御社も合意されたということであれば、下請法上の問題にはなら ないと考えられます
▼ 解答・解説を見る

正解:

解答:ウ

下請法の支払期日規制(60日ルール)と買いたたきの規律を問う組合せ問題。

空欄A(60日超の支払)

  • 下請代金の支払期日は、給付を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内に定めなければならない(下請法2条の2第1項)。これは強行規定であり、当事者間の合意によっても60日を超える支払を有効にすることはできない。納入日の付替えによって実質60日を超えた支払とすることは下請法違反となる。
  • → 「合意していても下請法上の問題になる」とする記述が正しい(「合意しているので問題にならない」は誤り)。

空欄B(買いたたき)

  • 親事業者が、コスト上昇分の価格転嫁を求める下請事業者に対し、その理由を書面・電子メール等で十分に説明・回答することなく、一方的に従来どおりの取引価格に据え置く行為は、買いたたき(下請法4条1項5号)に該当するおそれがある。
  • → 「買いたたきに該当し下請法上の問題になる可能性がある」とする記述が正しい(「合意したから問題ない」は誤り)。

両空欄を正しく満たすのは

#会社の種類・設立#株式・機関#不正競争・独禁法

← 経営法務の一覧へ戻る