第27問
以下は、事業承継について検討を進めているX氏(印刷業経営者、従業員30 名) と中小企業診断士Y氏との会話である。 この会話を読んで、下記の設問に答えよ。 X氏:「事業承継を円滑化するための税制措置について知りたいのですが、教えて いただけますか。」 Y氏:「法人版事業承継税制があります。この制度は事業承継円滑化のための税制 措置で、中小企業・小規模事業者の非上場株式などに係る相続税・贈与税が 納税猶予・免除されるものです。平成30 年4月1日に、法人版事業承継税 制の特例措置が創設されました。」 X氏:「特例措置ですか。具体的には、どのような措置なのでしょうか。」 Y氏:「平成30 年4月1日から令和6年3月31 日までの6年以内に、経営承継円 滑化法に基づく「 」を都道府県知事に提出したうえで、平成30 年 1月1日から令和9年12 月31 日までの10 年間に行われた非上場株式の贈 与・相続が対象となります。従前の措置も一般措置として存在しています が、特例措置については一般措置と比べて大きく優遇される内容が拡充され ています。詳しくは、国税局または税務署の税務相談窓口などにお問い合わ せください。」
設問1
会話の中の空欄に入る計画として、最も適切なものはどれか。
- ア 活性化計画
- イ 経営改善計画
- ウ 経営発達支援計画
- エ 特例承継計画
設問2
会話の中の下線部に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア 後継者が自主廃業や売却を行う際、承継時の株価を基に贈与税・相続税を納 税することが認められるようになった。
- イ 事業承継税制の適用後5年間で平均8割以上の雇用を維持すれば、納税が猶 予されるようになった。
- ウ 対象株式数の上限が撤廃され、納税猶予割合は100 %に拡大された。
- エ 1人の先代経営者から、2人までの後継者に対して贈与・相続される株式が 対象になった。
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正解: 設問1 エ 設問2 ウ
解答:設問1=エ、設問2=ウ
法人版事業承継税制の特例措置を問う。
設問1(エ)
特例措置の適用には、経営承継円滑化法に基づく「特例承継計画」を都道府県知事に提出し確認を受ける必要がある。
- ア(×):活性化計画は別制度で誤り。
- イ(×):経営改善計画は無関係で誤り。
- ウ(×):経営発達支援計画は商工会・商工会議所の計画で誤り。
- エ(○):特例承継計画。特例措置の前提となる計画で適切。
設問2(ウ)
特例措置では、対象株式数の上限(従来は発行済議決権株式総数の3分の2)が撤廃され、納税猶予割合も従来の80%から100%に拡大された。
- ア(×):自主廃業・売却時に承継時の株価で納税ではなく、譲渡時等の株価で再計算し差額を減免する仕組みで、記述は誤り。
- イ(×):雇用確保要件(5年平均8割維持)は、特例措置では実質的に弾力化され、満たせなくても理由報告等で猶予継続が可能となった。「8割以上維持すれば猶予」とする本記述は特例の特徴として不適切。
- ウ(○):対象株式数の上限撤廃・納税猶予割合100%への拡大。特例措置の拡充内容に合致し適切。
- エ(×):特例措置では1人の先代経営者から最大3人の後継者への承継が対象となり、「2人まで」は誤り。
よって 設問1=エ、設問2=ウ。