第7問
競争戦略に関する事項の説明として、最も適切なものはどれか。
- ア M.ポーター(M. Porter)によれば、競争戦略の基本は、規模の拡大による低コ スト化の実現と製品差別化の同時追求にあり、製品差別化と結びつかない低コス ト化の追求は、短期的には成功を収めても、中長期的には持続的な競争戦略には ならない。
- イ ある特定の製品の生産・販売の規模を拡大することによって、生産・販売に関 わるコスト、特に単位当たりコストが低下する現象は、「範囲の経済」と呼ばれて おり、コスト・リーダーシップの基盤となる。
- ウ 経験効果とは、累積生産量の増加に伴い、単位当たりコストが一定の比率で低 下する現象である。この累積生産量と単位当たりコストの関係に基づくと、将来 の累積生産量から単位当たりコストを事前に予測して、戦略的に価格を設定する ことができる。
- エ 製品差別化が実現している状況では、当該製品の顧客は代替的な製品との違い に価値を認めているために、競合製品の価格が低下しても、製品を切り換えな い。したがって、このような状況では、需要の交差弾力性は大きくなる。
- オ 製品ライフサイクルの初期段階で、コスト・リーダーとなるためには、大幅に 価格を引き下げて、一気に市場を立ち上げるとともに、市場シェアを高める「上 澄み価格政策」が有効である。
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正解:ウ
解答:ウ
競争戦略の基本概念(基本戦略・範囲の経済と規模の経済・経験効果・交差弾力性・価格政策)を正しく区別できるかを問う。
- ア(×):ポーターは低コスト化と差別化の同時追求は「スタック・イン・ザ・ミドル(中途半端)」を招くとして退け、いずれかに集中すべきとした。同時追求が基本とする記述は誤り。
- イ(×):同一製品の生産・販売規模拡大による単位当たりコスト低下は「規模の経済」。「範囲の経済」は複数事業・製品の共通資源利用による経済性であり、用語が誤り。
- ウ(○):経験効果(累積生産量倍増ごとに単位コストが一定率低下)を用いれば、将来の累積生産量からコストを予測し、先行して低価格を設定する戦略的価格づけが可能。記述は適切。
- エ(×):差別化が効いていれば競合の値下げでも需要が移りにくく、需要の交差弾力性は「小さく」なる。大きくなるとする記述は誤り。
- オ(×):大幅値下げで一気に市場を取りシェアを高める政策は「浸透価格政策」。「上澄み(スキミング)価格政策」は高価格で初期に利益を回収する政策であり、用語が誤り。
よって ウ。