企業経営理論 R01年度 第30問

第30問

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 マスメディアとさまざまなプロモーショナル・メディアを組み合わせたコミュニ ケーションを前提としてきた伝統的なマーケティングから、近年急速にデジタル・ マーケティングへのシフトが進んでいる。このシフトは、消費者同士の情報交換が ソーシャルメディアなどを介して盛んに行われるようになっていることに対応した 動きでもある。

設問1

文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 企業やマーケターが顧客と接したり会話したりする「タッチポイント」は、店 舗などの物理的空間だけに限定せず、オンライン上にもさまざまな形で設定さ れる。
  2. 需給バランスや時期などに応じて価格を変動させるダイナミック・プライシ ングのような方法は、デジタル・マーケティングの時代になって初めて登場し た価格設定方法である。
  3. デジタル・マーケティングにおいては、製品開発のための資金をオンライン 上の多数の消費者から調達するクラウド・ソーシングの手法がしばしば用いら れる。
  4. デジタル財の特徴として、複製が容易である(複製可能性)、他者が使用する と直ちに価値が低下する(価値の毀 き 損 そん 性)、オンラインで瞬時に転送できる(非 空間性)の3 つをあげることができる。

設問2

文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. クチコミには、経験しないと判断できない「経験属性」に関する情報が豊富に 含まれている。
  2. クチコミの利便性を向上するために、クチコミを集約したランキングや星評 価などが導入されたことにより、かえってクチコミの利便性が低下している。
  3. 消費者同士がオンライン上で交換したクチコミ情報が蓄積される場所は、蓄 積される情報や場の運営に関して消費者が主導権を持っているという意味で 「オウンドメディア」と呼ばれる。
  4. マーケターが、企業と無関係な消費者であるかのように振る舞って情報を受 発信することは、当該企業にとっての長期的利益につながる。
▼ 解答・解説を見る

正解: 設問1 設問2

解答:設問1=ア、設問2=ア

デジタル・マーケティングへのシフト(設問1)と、消費者間のクチコミ(設問2)に関する基本概念を問う。

設問1(デジタル・マーケティング)=ア

  • ア(○):顧客との接点である「タッチポイント」は、店舗などの物理的空間に限らず、Webサイト・SNS・アプリなどオンライン上にも多様に設定される。適切。
  • イ(×):需給に応じて価格を変える動的価格設定(ダイナミック・プライシング)は、航空券やホテルなどで以前から行われており、デジタル時代に初めて登場したものではない。誤り。
  • ウ(×):オンライン上の多数の消費者から資金を調達する手法は「クラウド・ファンディング」であり、「クラウド・ソーシング」(不特定多数への業務委託)ではない。用語の取り違えで誤り。
  • エ(×):デジタル財は他者が使用しても価値が低下しない(非競合性)。「他者が使用すると直ちに価値が低下する」とする点が誤り。

設問2(クチコミ)=ア

  • ア(○):クチコミには、実際に経験しないと判断できない「経験属性」に関する情報が豊富に含まれ、購入前の消費者にとって有用。適切。
  • イ(×):ランキングや星評価への集約は、情報を比較・取捨しやすくし、クチコミの利便性を「向上」させる。「かえって低下している」とする点が誤り。
  • ウ(×):消費者主導で情報が蓄積される場(口コミサイト等)は「アーンドメディア」に近く、企業が所有・管理する「オウンドメディア」ではない。用語の取り違えで誤り。
  • エ(×):マーケターが一般消費者を装って情報発信する行為(ステルスマーケティング)は、発覚すれば信頼を損ない、長期的利益にはつながらない。誤り。

よって 設問1=、設問2=

#組織構造#マーケティング戦略#価格・チャネル戦略

← 企業経営理論の一覧へ戻る