第4問
一定の取引分野における競争を実質的に制限することになる、株式の取得、合 併、吸収分割、共同株式移転、事業譲受けといった企業結合は、独占禁止法により 禁止されている。この点、企業結合後のハーフィンダール・ハーシュマン指数(以 下「HHI」という。)が次の①から③のいずれかに該当する場合には、通常、独占禁止 法に違反しないと考えられている。この①から③の規準を満たす領域のことを「セ ーフハーバー」と呼ぶ。 HHI は、一定の取引分野における各事業者の市場シェア(百分率で示される。)を それぞれ 乗し、 乗された市場シェアを合計することによって算出される。 ① 企業結合後のHHI が1,500 以下である場合 ② 企業結合後のHHI が1,500 超2,500 以下であって、かつ、結合後のHHI か ら結合前のHHI を控除した数値が250 以下である場合 ③ 企業結合後のHHI が2,500 を超え、かつ、結合後のHHI から結合前のHHI を控除した数値が150 以下である場合 企業結合前の一定の取引分野における各事業者の市場シェアについては、次の⑴ と⑵の つの場合があるとして、セーフハーバーを満たさないものを下記の解答群 から選べ。 ⑴ 企業結合前の一定の取引分野における各事業者の市場シェアが、A 社 30 %、B 社25 %、C 社20 %、D 社10 %、E 社%、F 社%の場合。 ⑵ 企業結合前の一定の取引分野における各事業者の市場シェアが、A 社 40 %、B 社30 %、C 社12 %、D 社10 %、E 社%、F 社%の場合。 DKJC-1E 6 V解答群X
- ア ⑴の場合において、C 社とE 社が企業結合を行い、結合後の市場シェアが A 社30 %、C 袷E 社29 %、B 社25 %、D 社10 %、F 社%となるとき。
- イ ⑴の場合において、D 社とE 社が企業結合を行い、結合後の市場シェアが A 社30 %、B 社25 %、C 社20 %、D 袷E 社19 %、F 社%となるとき。
- ウ ⑵の場合において、C 社とE 社が企業結合を行い、結合後の市場シェアが A 社40 %、B 社30 %、C 袷E 社17 %、D 社10 %、F 社%となるとき。
- エ ⑵の場合において、D 社とE 社が企業結合を行い、結合後の市場シェアが A 社40 %、B 社30 %、D 袷E 社15 %、C 社12 %、F 社%となるとき。
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正解:ア
解答:ア
企業結合のセーフハーバー(HHI基準)の問題。HHI=各社シェアの2乗和。2社が結合するときの増分ΔHHI=2×(両社シェアの積)。基準②は結合後HHI 1,500超2,500以下かつΔHHI≦250、基準③は結合後HHI 2,500超かつΔHHI≦150。いずれにも当てはまらないものが「セーフハーバーを満たさない」。
- ア(満たさない=正解):⑴でC(20)とE(9)が結合。結合後HHI=30²+29²+25²+10²+6²=900+841+625+100+36=2,502(>2,500)。ΔHHI=2×20×9=360。HHIが2,500超でΔHHIが150を大きく超えるため、基準③を満たさず、セーフハーバーに該当しない。
- イ(満たす):⑴でD(10)とE(9)が結合。ΔHHI=2×10×9=180。結合後HHIは30²+25²+20²+19²+6²=900+625+400+361+36=2,322(1,500超2,500以下)で、ΔHHI≦250を満たし基準②に該当。
- ウ(満たす):⑵でC(12)とE(5)が結合。ΔHHI=2×12×5=120。結合後HHIは40²+30²+17²+10²+3²=1,600+900+289+100+9=2,898(2,500超)でΔHHI≦150を満たし基準③に該当。
- エ(満たす):⑵でD(10)とE(5)が結合。ΔHHI=2×10×5=100。結合後HHIは40²+30²+15²+12²+3²=1,600+900+225+144+9=2,878(2,500超)でΔHHI≦150を満たし基準③に該当。
よって、セーフハーバーを満たさないのは ア。