第18問
下図は、横軸に時間、縦軸に重要な革新の頻度をとり、製品革新と工程革新の観 点から見た生産ユニットJproductive unitKの進化過程と生産性のジレンマを描いた ものである。 ドミナントデザインの確立までを流動化段階、その後製品革新の頻度が減少しつ つ工程革新が進む段階を成長段階、もはや製品革新は末端技術に限られ工程革新も 成熟してきた段階を特定化段階と区分した場合、それぞれの段階に適した組織に関 する記述として最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- ア 成長段階後期になると製品アーキテクチャは安定し、市場規模は縮小し始め るので、業界として部品ごとに水平分業関係を築き、部品間のインターフェー スについて規格を統一していくことが重要な成功要因になる。
- イ 製品革新の頻度が少なくなってくると、しだいに工程革新へと関心がシフト していき、生産性が次第に低下し、価格競争は少なくなるため、企業間で水平 的な分業関係が構築しやすくなる。 DKJC-1C
- ウ 特定化段階には企業間の分業が進み、製品・工程とも革新の頻度は低くなっ てしまうが、これを再び流動化段階に脱成熟させるには、一定以上の垂直統合 が必要となる。
- エ ドミナントデザインが確立される前の流動化段階では、市場規模も大きくな く、製品アーキテクチャの各要素の不確定性が高いため、 企業で新製品開発 のリスクを負うのではなく、部品ごとに水平分業をして業界全体で新製品の開 発を行うべきである。
- オ ひとたびドミナントデザインが確立されると、製品アーキテクチャが確立す るため、部品メーカーを内部化する垂直統合戦略をとり、効率的な生産ができ るよう組織を機能別に編成すべきである。
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正解:ウ
解答:ウ
アバナシー=アッターバックの生産性のジレンマ(A-Uモデル)。流動化段階は製品革新が活発で多くの企業が試行錯誤、ドミナントデザイン確立後は工程革新中心の成長段階、やがて両革新とも沈静化する特定化段階に至る。
- ア(×):成長段階後期に「市場規模は縮小し始める」が誤り。この段階は需要が拡大し量産が進む局面である。
- イ(×):工程革新が進めば生産性は「向上」するのが本モデルの主旨で、「生産性が次第に低下し」は逆。価格競争も激化する方向で、記述全体が誤り。
- ウ(○):特定化段階では企業間分業が進み革新頻度が低下する。ここから再び流動化段階へ「脱成熟」させるには、要素技術を統合し新たな製品革新を起こす必要があり、一定以上の垂直統合が有効、という説明は本モデルおよび脱成熟論に整合する。
- エ(×):流動化段階は不確実性が高くアーキテクチャが未確定なため、むしろ一社が統合的に試行錯誤して新製品開発に挑む局面であり、「部品ごとに水平分業して業界全体で開発」は段階の特性に反する。
- オ(×):ドミナントデザイン確立後はアーキテクチャが安定するため、必ずしも垂直統合・内部化が最適とは限らず、むしろ水平分業(モジュール化)が進みやすい。断定が不適切。
よって ウ。