企業経営理論 H25年度 第5問

第5問

A 社は医療分野での先端的な製品開発を通じて社会に貢献するという理念の下 で、現在の医療機器事業に加えて新薬開発の支援や再生医療の分野を包含した将来 的なドメインの定義を企図している。企業ドメインと事業ドメインの決定に関する 記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 企業ドメインの決定は、現状追認ではなく将来の方向性を明示しているが、注 意の焦点を絞り込んで資源分散を防止するのには適さない。
  2. 企業ドメインの決定は、差別化の基本方針を提供し、新たに進出する事業の中 心となる顧客セグメントの選択の判断に影響する。
  3. 企業ドメインの決定は、将来の企業のあるべき姿や経営理念を包含している生 存領域を示すが、現在の生存領域や事業分野との関連性は示していない。
  4. 事業ドメインの決定は、将来手がける事業をどう定義するかの決定であり、企 業戦略策定の第一歩として競争戦略を結びつける役割を果たす。
  5. 事業ドメインは、全社的な資源配分に影響を受けるため、企業ドメインの決定 に合わせて見直すこともありうる。 DKJC-1C
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正解:

解答:オ

企業ドメイン(全社的な生存領域)と事業ドメイン(個々の事業領域)の役割・関係が問われている。企業ドメインは全社的な資源配分・多角化の方向づけ、事業ドメインは個別事業の競争戦略の土台となり、両者は階層的に整合させるべきもの。

  • ア(×):企業ドメインの決定は将来の方向性を示すと同時に、注意の焦点を絞り込み資源の分散を防止する役割も果たす。「資源分散の防止には適さない」とする点が誤り。
  • イ(×):差別化の基本方針や顧客セグメントの選択といった競争次元の判断は、主に「事業ドメイン」の役割。企業ドメインの説明としては不適切。
  • ウ(×):企業ドメインは将来のあるべき姿だけでなく、現在の生存領域・事業分野との関連性も踏まえて定義される。「関連性は示していない」とする点が誤り。
  • エ(×):「将来手がける事業をどう定義するか」「企業戦略策定の第一歩」という全社レベルの記述は、事業ドメインではなく企業ドメインの説明に近く、主語と内容が対応していない。不適切。
  • オ(○):事業ドメインは全社的な資源配分の影響を受けるため、上位概念である企業ドメインの決定(見直し)に合わせて再定義されることがある。両者の階層関係を正しく述べており適切。

よって

#経営戦略・全社戦略#競争戦略

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