第5問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 経済の閉そく感が強まる中で、経済の新陳代謝や雇用の創出につながる起業を促 進する必要性が高まっている。しかしながら、総務省「事業所・企業統計調査」や 「経済センサス安基礎調査」によれば、企業単位でも事業所単位でも、わが国では 1980 年代後半から開業率が廃業率を下回る状況が続いており、米国や英国と比べ ても起業活動は低い水準にあるのが現状である。 もっとも、 ① すべての業種で開業率が廃業率を下回っているわけではない。また、 総務省「就業構造基本調査」によれば、2007 年時点で起業希望者と起業準備者をあ わせて ② 100 万人を上回る潜在的な起業家が存在しており、起業に関心を持つ人たち は多い。起業を促進するためには、こうした潜在的な ③ 起業家の抱えるさまざまな課 題を除去していくことが重要であろう。 (
設問1
) 文中の下線部①について、総務省「事業所・企業統計調査」に基づき、業種別の 開廃業率(2004 〜2006 年、企業単位、年平均)を見た場合、開業率から廃業率を 差し引いた値が大きいものから小さいものへと並べた組み合わせとして、最も適 切なものを下記の解答群から選べ。 a 医療・福祉 b 教育・学習支援業 c 情報通信業 V解答群X
- ア a 医療・福祉 b 教育・学習支援業 c 情報通信業
- イ a 医療・福祉 c 情報通信業 b 教育・学習支援業
- ウ b 教育・学習支援業 a 医療・福祉 c 情報通信業
- エ b 教育・学習支援業 c 情報通信業 a 医療・福祉
- オ c 情報通信業 a 医療・福祉 b 教育・学習支援業 DKJC-1G (
設問2
) 文中の下線部②について、総務省「就業構造基本調査」に基づき、起業家および 起業希望者の性別および年齢別構成(2007 年)を見た場合、最も適切なものはど れか。なお、ここで、起業家とは過去 年間に職を変えたまたは新たに職に就い た者のうち、現在は自営業主(内職者を除く)となっている者をいう。また、起業 希望者とは有業者の転職希望者のうち「自分で事業を起こしたい」と回答した者お よび無業者のうち「自分で事業を起こしたい」と回答した者をいう。
- ア 起業家を年齢別構成で見ると29 歳以下の割合が全体の約割を占める。
- イ 起業家を年齢別構成で見ると40 歳代より60 歳以上の割合が高い。
- ウ 起業希望者を性別で見ると女性が全体の約割を占める。
- エ 起業希望者を年齢別構成で見ると29 歳以下が全体の約割を占める。
- オ 起業希望者を年齢別構成で見ると60 歳以上が全体の約割を占める。 (
設問3
) 文中の下線部③について、中小企業庁「起業に関する実態調査(2010 年12 月、 複数回答)」に基づき、起業家が起業時(起業準備期間中)および起業後(起業後か ら調査時点に至る期間)に直面した課題を見た場合、最も適切なものはどれか。
- ア 起業時の最大の課題は仕入先の確保である。
- イ 起業時の最大の課題は販売先の確保である。
- ウ 起業後の最大の課題は資金調達である。
- エ 起業後の最大の課題は質の高い人材確保である。
- オ 起業時と起業後では最大の課題は同一である。 DKJC-1G
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正解: 設問1 オ 設問2 イ 設問3 エ
解答:設問1=オ、設問2=イ、設問3=エ
設問1(正解:オ)
〔リード〕総務省「事業所・企業統計調査」に基づく業種別開廃業率(2004~2006年、企業単位、年平均)で、開業率から廃業率を差し引いた純増(開業超過)の大きい順に並べる問題。情報通信業が最も高く、次いで医療・福祉、教育・学習支援業の順となる。
- a=医療・福祉、b=教育・学習支援業、c=情報通信業。
- ア~エ(×):いずれも先頭が情報通信業(c)になっておらず、開業超過幅が最大の業種を誤っている。
- オ(○):c→a→b(情報通信業>医療・福祉>教育・学習支援業)。成長分野である情報通信業の開業超過が最大という実態に合致し正しい。
設問2(正解:イ)
〔リード〕総務省「就業構造基本調査」による起業家・起業希望者の性別・年齢別構成(2007年)。起業家は中高年層の割合が高く、若年層は相対的に少ない。
- ア(×):起業家の29歳以下が約5割とするが、若年層の割合はそれほど高くないため誤り。
- イ(○):起業家を年齢別に見ると40歳代より60歳以上の割合が高い。中高年・高齢層で起業が多い実態に合致し正しい。
- ウ(×):起業希望者の女性が約7割とするが、起業希望者は男性が多数であり誤り。
- エ(×):起業希望者の29歳以下が約5割とするのは実態と異なり誤り。
- オ(×):起業希望者の60歳以上が約5割とするのは実態と異なり誤り。
設問3(正解:エ)
〔リード〕中小企業庁「起業に関する実態調査(2010年12月、複数回答)」による、起業時と起業後に直面する課題。起業時は資金調達が最大の課題、起業後は質の高い人材の確保が最大の課題となり、両時点で課題が変化する。
- ア(×):起業時の最大課題を仕入先確保とするが、起業時の最大課題は資金調達であり誤り。
- イ(×):起業時の最大課題を販売先確保とするが、起業時の最大課題は資金調達であり誤り。
- ウ(×):起業後の最大課題を資金調達とするが、起業後は人材確保が最大であり誤り。
- エ(○):起業後の最大の課題は質の高い人材の確保である。起業後フェーズの課題として正しい。
- オ(×):起業時(資金調達)と起業後(人材確保)で最大の課題は異なるため、同一とするのは誤り。
よって 設問1=オ、設問2=イ、設問3=エ。