第4問
企業は環境の競争要因を分析して適切な戦略行動をとろうとする。その際の環境 分析について考慮すべき点の記述として、最も不適切なものはどれか。
- ア ストに占める固定費の比率が高い製品の場合、企業は生産能力を最大限に活 用しようとしがちであるため、業界は過剰生産に陥りやすいので、できるだけす ばやくその製品を売り抜けて、業界からの撤退を図ることが重要になる。
- イ 自社が必要とする部材の供給企業が減少すると、競合企業との競争のため調達 価格がつりあがりやすいので、代替的な部材の調達や自社開発を検討することも 視野に入れておくことが重要になる。
- ウ 自社の製品やサービスと補完性のあるものを販売する企業と強いアライアンス があると、顧客の望む価値を統合的に提供して競合他社にない競争優位を構築し 得るので、このようなアライアンス相手を見出すことは重要になる。
- エ 新規参入企業がもたらす追加的な生産能力は、消費者の購入コストの上昇を抑 え、競合企業には売上の減少や収益性の低下をもたらすので、参入障壁の強固さ や参入企業への業界の反撃能力を点検することが重要である。
- オ 製品がコモディティ化すると、顧客のスイッチングコストが低下して、競合企 業との価格競争が激化するので、差別化を目指すには一歩先んじた独自製品の開 発とその販売を目指すことが重要である。 ― 5― ◇M3(688―50)
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正解:ア
解答:ア
ポーターのファイブフォース(業界の競争要因)を踏まえた環境分析の出題。各記述は撤退障壁、供給者の交渉力、補完財、新規参入、コモディティ化に関する。
- ア(×):固定費比率の高い製品は稼働率維持のため過剰生産に陥りやすいのは事実だが、だからといって「すばやく売り抜けて業界から撤退を図ることが重要」とは限らない。固定費が高い事業は撤退障壁も高く、稼働率確保や差別化・規模追求など他の打ち手が考えられる。安易に撤退を結論づける点が最も不適切。
- イ(○):供給企業が減少すると供給者の交渉力が高まり調達価格がつり上がりやすいため、代替部材の調達や自社開発の検討は重要。妥当。
- ウ(○):補完財を扱う企業と強いアライアンスを組めば、顧客価値を統合的に提供して競争優位を構築しうる。補完財の視点として妥当。
- エ(○):新規参入による追加的生産能力は価格を抑え、既存企業の売上減少・収益性低下を招くため、参入障壁の強固さや業界の反撃能力の点検が重要。妥当。
- オ(○):コモディティ化はスイッチングコストを下げ価格競争を激化させるため、独自製品開発による差別化が重要。妥当。
よって最も不適切なものは ア。