企業経営理論 H23年度 第3問

第3問

企業の強みと弱みに関する分析フレームワークについての記述として、最も不適 切なものはどれか。

  1. 経営資源の模倣には直接的な複製だけではなく、競争優位にある企業が保有す る経営資源を別の経営資源で代替することによる模倣もある。
  2. 経営資源やケイパビリティが競争優位を生じさせており、企業の内部者にとっ て競争優位の源泉との関係が理解できない場合、経路依存性による模倣困難が生 じている。
  3. 経営資源やケイパビリティに経済価値があり、他の競合企業や潜在的な競合企 業が保持していないものである場合、希少性に基づく競争優位の源泉となりう る。
  4. 経済価値のない経営資源やケイパビリティしか保持していない企業は、経済価 値を有するものを新たに獲得するか、これまで有してきた強みをまったく新しい 方法で活用し直すかの選択を迫られる。
  5. 成功している企業の経営資源を競合企業が模倣する場合にコスト上の不利を被 るのであれば、少なくともある一定期間の持続的な競争優位が得られる。 ― 4― ◇M3(688―49)
▼ 解答・解説を見る

正解:

解答:イ

バーニーのVRIOフレームワーク(経済価値・希少性・模倣困難性・組織)に関する出題。模倣困難性の源泉には、歴史的条件(経路依存性)、因果関係の不明確性、社会的複雑性、特許等がある。

  • ア(○):経営資源の模倣には直接的な複製(duplication)だけでなく、別の経営資源による代替(substitution)もある。妥当。
  • イ(×):競争優位の源泉との関係が理解できない場合に生じる模倣困難は「因果関係の不明確性(causal ambiguity)」であり、「経路依存性」ではない。経路依存性は過去の歴史的経緯に依存して資源が形成されることによる模倣困難をいう。概念を取り違えており、これが最も不適切。
  • ウ(○):経済価値があり競合や潜在競合が保持していない資源・ケイパビリティは、希少性に基づく競争優位の源泉となりうる。妥当。
  • エ(○):経済価値のない資源しか持たない企業は、価値あるものを新たに獲得するか、既存の強みをまったく新しい方法で活用し直すかの選択を迫られる。妥当。
  • オ(○):競合が模倣に際してコスト上の不利を被るなら、模倣困難性が働き、少なくとも一定期間の持続的競争優位が得られる。妥当。

よって最も不適切なものは

#競争戦略#経営資源・RBV

← 企業経営理論の一覧へ戻る