第19問
社債発行に関連する下記の設問に答えよ。 (
設問1
) 社債の発行に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- ア 株式会社が社債を発行するためには、取締役会設置会社では取締役会の決議 が必要である。
- イ 銀行、信託会社、証券会社は、社債権者の利益保護のために設置される社債 管理者となることができる。
- ウ 社債券を発行しない社債の発行も認められる。この場合、社債譲渡の効力を 会社その他の第三者に対抗するためには社債原簿の書き換えが必要となる。
- エ 社債は、株式会社のみならず合名会社、合資会社、合同会社でも発行するこ とができる。 (
設問2
) 次の文中の空欄に入る記述として最も適切なものを下記の解答群から選べ。 社債の発行は、金融商品取引法の規制の対象となる。これに対して、少人数の 縁故者を対象として社債を発行する少人数私募債は、同法に定める有価証券の募 集の要件に該当しないため、簡易に社債を発行することができる。 募集の具体的な要件は、新たに発行される社債の 未満であり、か つ、多数の者に譲渡される恐れが少ないことである。なお、この人数には過去 か月以内に同一種類の社債を発行している場合にはそれも合計しなければならな い。
- ア 最終の取得者の人数が50名
- イ 取得勧誘の相手方の人数が名
- ウ 取得勧誘の相手方の人数が50名
- エ 取得勧誘の相手方の人数が500名 ― 23― ◇M5(688―130)
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正解: 設問1 イ 設問2 ウ
解答:設問1=イ、設問2=ウ
〔リード〕社債の発行手続(設問1は「最も不適切なもの」=誤り、設問2は空欄に入る要件)。
設問1(社債の発行)
- ア(○):取締役会設置会社が社債を発行するには、募集事項の決定として取締役会の決議が必要(会社法362条4項5号)。適切。
- イ(×・最も不適切):社債管理者となることができるのは銀行・信託会社およびこれらに準ずる者であり(会社法703条、施行規則170条)、証券会社は社債管理者となることができない。証券会社を含めて列挙する本記述は誤りで、これが正解。
- ウ(○):社債券を発行しない社債も認められ、その場合、社債の譲渡を会社その他の第三者に対抗するには社債原簿の名義書換えが必要(688条1項)。適切。
- エ(○):社債は株式会社のみならず、合名会社・合資会社・合同会社(持分会社)でも発行できる。会社法上「会社」一般に社債発行が認められている。適切。
設問2(少人数私募債の要件)
少人数私募債が金融商品取引法の「有価証券の募集」に該当せず簡易に発行できるのは、勧誘の相手方が一定人数未満で、多数の者に転売されるおそれが少ない場合である。募集の要件は、新たに発行される社債の「取得勧誘の相手方の人数が50名未満」であること(金商法2条3項、施行令1条の5等)。最終取得者の人数ではなく、勧誘の相手方の人数で判定する点に注意。
- ア(×):「最終の取得者の人数が50名」ではなく、勧誘の相手方の人数で判定する。
- イ(×):「勧誘の相手方の人数が5名」は数値が誤り。
- ウ(○):「取得勧誘の相手方の人数が50名」未満が正しい要件。
- エ(×):「500名」は数値が誤り。
よって設問1=イ、設問2=ウ。