第17問
ある程度歴史を持った企業同士が、買収や合併をうまく遂行して高い成果に結び つけていくためには、事前にそれぞれの企業の組織文化、観察可能な人工物や標榜 されている価値観レベルだけでなく、とくに暗黙に共有された仮定レベルの文化を 明らかにしておく必要がある。このような組織文化を明らかにする方法として、最 も適切なものはどれか。
- ア 社員によるグループを構成し、そのメンバーたちに率直に組織文化について語 りあってもらう。
- イ 組織メンバー全員を対象に、どのような価値観を標榜しているかについて、質 問紙調査法による調査を行う。
- ウ その企業で重要な役割を果たしている個人に、どのような組織文化を持ってい ると思うかインタビューする。
- エ その企業の具体的な問題解決の場面に、外部のファシリテータを介入させ、メ ンバーが暗黙のうちに前提としている考え方を自ら気づくようにする。 ― 22― ◇M3(295―73)
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正解:エ
解答:エ
〔リード〕シャイン(E. H. Schein)の組織文化論では、文化は3レベル(①人工物=目に見える構造・行動、②標榜される価値観、③暗黙に共有された基本的仮定)からなる。最深層の「暗黙の前提」は当事者にも意識されず、質問紙やインタビューで直接「どんな文化か」を尋ねても表出しない。具体的問題解決の場で第三者が介入し、メンバー自身に気づかせる手法が最も有効。
- ア(×):社員グループに組織文化を語りあってもらう方法は、標榜される価値観レベルは引き出せても、本人が意識していない暗黙の前提までは表出しにくい。
- イ(×):質問紙調査で「どのような価値観を標榜しているか」を尋ねる方法は、まさに標榜価値観レベルの把握にとどまり、暗黙に共有された仮定は捉えられない。
- ウ(×):重要人物へのインタビューも、本人が自覚・言語化できる範囲の文化(標榜価値観)しか得られず、暗黙の前提には届かない。
- エ(○):具体的な問題解決の場面に外部ファシリテータを介入させ、メンバーが暗黙のうちに前提としている考え方に自ら気づくようにする方法は、無意識の基本的仮定を実際の行動文脈の中で表面化させる。シャインの臨床的アプローチに合致し、最深層の文化解明に最も適切。
よって エ。