企業経営理論 H22年度 第5問

第5問

企業は経済社会の一員として多面的に社会的な責任や期待を負いつつ、経済活動 を展開している。そのような社会的存在としての企業の経営行動に関する記述とし て最も適切なものはどれか。

  1. 企業価値は株式時価を中心に測定されるが、株価は企業が直接操作できない証 券市場で形成されるため、企業価値は具体的な数値目標で表される目的にはなり にくいので、株価にとらわれない自社のビジョンに基づく経営を維持するべく上 場を廃止する例が見られるようになった。
  2. 企業の利益極大化の追求は、納品業者や販売業者さらには労働者に厳しいコス ト削減を強いることになるので、利益計画は公表しないことにしている。
  3. 長期の不況の中で賃金コストの抑制が図られ、安価な労働力として非正規雇用 が増えたが、企業は雇用不安を抑えるべく、近年ではワークシェアリングを盛ん に導入している。
  4. 日本では同業者間で同質な技術や商品の開発競争が激化しやすく、その競争を 一挙に海外でも展開する傾向があり、集中豪雨的な進出として批判されることが あるばかりか、技術力の低下が起こっている。 ― 5― ◇M3(295―56)
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正解:

解答:ア

〔リード〕社会的存在としての企業の経営行動に関する記述として「最も適切」なものを選ぶ。企業価値・CSR・雇用をめぐる現実の動向に照らして妥当性を判断する。

  • ア(○):企業価値は株式時価を中心に測られるが、株価は企業が直接操作できない証券市場で形成される。そのため株価という具体的数値を経営の目的そのものとはしにくく、株価に振り回されず自社ビジョンに基づく経営を貫くために上場を廃止(MBO等による非公開化)する例が実際に見られる。事実関係・論理ともに整合的で最も適切。
  • イ(×):利益極大化が取引先や労働者へのコスト削減圧力につながり得るのは一面の事実だが、だからといって「利益計画を公表しない」という結論は飛躍で、企業行動として一般化できず不適切。
  • ウ(×):不況下で非正規雇用が増えたのは事実だが、企業が雇用不安を抑えるべく「ワークシェアリングを盛んに導入している」とまでは言えず、現実の動向として誇張で不適切。
  • エ(×):同質的な開発競争や集中豪雨的進出という批判はあり得るが、それが「技術力の低下が起こっている」という帰結に直結するとは言えず、論理が成立せず不適切。

よって

#M&A・提携#企業統治・CSR

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