経営法務 H22年度 第14問

第14問

株式会社A は、一般消費者である女性をターゲットに各家庭を訪問して、ある いはインターネットにおける自社のショッピングサイト上で、高額化粧品をディス カウントして販売する業者である。この株式会社A による商品の販売に関する説 明として最も適切なものはどれか。

  1. 株式会社A がインターネットのショッピングサイト上で掲載している売買契 約上、当該化粧品から生ずるいかなる肌のトラブルについても責任を負わない旨 の規定がある場合には、当然に、当該契約全体が無効となる。
  2. 株式会社A による商品のインターネット販売にはクーリング・オフ規定の適 用はないが、この商品のショッピングサイト上に返品の可否および条件を記載し ていない場合、インターネットを通じてこの商品を購入した女性の都合により契 約を解除されることがある。
  3. 株式会社A の担当者が訪問販売において、「重大な過失がある場合でも株式会 社A の損害賠償額は10万円を限度とさせていただきます。」とする旨を女性に手 渡しした売買契約書において規定し、女性がこれについて説明を受け、納得した 上で署名押印した場合は、かかる規定は有効である。
  4. 株式会社A の担当者が訪問販売において、女性から「商品が必要ないので、 帰ってください。」と言われたにもかかわらず、居座って話を続けて説得した上で 販売した商品は、この女性が契約書面を受領した日から起算して日間が経過す ると、女性から売買契約を取り消すことができない。 ― 18― ◇M5(295―134)
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正解:

解答:イ

〔リード〕訪問販売は特定商取引法のクーリング・オフ(書面受領日から8日間)の対象だが、通信販売(インターネット販売)にはクーリング・オフの規定はない。もっとも通信販売では、返品の可否・条件を広告に表示していない場合、購入者は商品引渡し等から一定期間内、自己都合で契約解除(返品)できる(法定返品権)。また消費者契約法により、事業者の故意・重過失による損害賠償責任の全部または一部を免除する条項は無効となる。

  • ア(×):いかなる肌トラブルにも責任を負わない旨の免責条項は消費者契約法8条により無効となり得るが、無効となるのは当該条項のみで、「当然に契約全体が無効となる」わけではない。誤り。
  • イ(○):インターネット販売(通信販売)にはクーリング・オフの適用はないが、返品の可否・条件をサイト上に表示していない場合、購入者は自己都合により契約を解除(返品)できる。正しく、最も適切。
  • ウ(×):「重大な過失がある場合でも損害賠償額は10万円を限度とする」旨の条項は、事業者の重過失による損害賠償責任を一部免除するもので、消費者が説明を受け納得・署名していても消費者契約法8条により無効。「有効」とする点が誤り。
  • エ(×):「帰ってほしい」と告げられたのに居座って勧誘する行為は再勧誘等の問題を生じ、また書面交付の不備があればクーリング・オフ期間は進行しない。書面受領から8日経過で一律に取消(解除)できなくなるとは限らず、誤り。

よって

#会社の種類・設立#株式・機関#民法・契約・PL

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