第5問
中小企業診断士であるあなたは、依頼者であるX 有限会社(特例有限会社)の代 表取締役である甲に対して、以下のアドバイスを行おうと考えている。このアドバ イス案のうちで最も適切なものはどれか。 なお、X 有限会社は、資本金300万円、株主は甲、甲の弟名、甲の子の計 名、役員は、代表取締役の甲のほか、甲の弟名がそれぞれ取締役、甲の子が監査 役に就任している。
- ア 御社の場合、取締役会を設置することはいつでもできますが、設置するメリッ トはないと思います。
- イ 増資を行う場合、誰に割り当てるかは代表取締役のあなたが自由に定めること ができますから、あなたに割り当てることにすれば、あなたの持株数を簡単に増 やせます。
- ウ 特例有限会社から株式会社に組織を変更し、X 株式会社という商号を使用する には、定款変更の手続をとって、商号を変更して、それを登記すれば足ります。
- エ 特例有限会社の取締役の任期は10年までに制限されていますから、任期が満 了するときにはまた取締役を選び、登記をしないといけません。 ― 5― ◇M5(295―121)
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正解:ウ
解答:ウ
〔リード〕特例有限会社は、会社法施行に伴う整備法により存続する株式会社の特例であり、いくつかの特則がある。すなわち、(1)取締役会・監査役会・会計監査人等を設置できない、(2)取締役・監査役の任期に関する規定(最長10年等)の適用がなく任期の制限がない、(3)株式会社へ移行するには定款変更により商号中に「株式会社」を用いる旨を定め、特例有限会社の解散登記と株式会社設立登記を行えば足りる(組織変更手続は不要)。これらを踏まえアドバイスの正誤を判定する。
- ア(×):特例有限会社は整備法により取締役会を設置することができない。「いつでも設置できる」とする点が誤り。
- イ(×):募集株式の割当先を代表取締役が自由に定めることはできない。特例有限会社は全株式譲渡制限会社であり、募集事項の決定・割当ては株主総会の特別決議等によるべきで、「代表取締役が自由に定められる」は誤り。
- ウ(○):特例有限会社から株式会社へは、定款を変更して商号を株式会社を含むものに改め、その旨の登記(有限会社の解散登記+株式会社の設立登記)をすれば移行できる。組織変更のような手続を要さず、定款変更・商号変更・登記で足りるとする説明は正しい。
- エ(×):特例有限会社の取締役・監査役には任期の制限がない(任期に関する会社法の規定が適用されない)。「任期は10年までに制限される」は誤り。
よって ウ。