企業経営理論 H21年度 第4問

第4問

ライバルとの競争は、市場でコストや差別化をめぐって展開されるばかりではな く、ビジネスのさまざまな局面で戦略的に展開されている。そのような戦略の具体 的な可能性として、最も不適切なものはどれか。

  1. 自社の主力製品の即席カップ麺にライバル企業が攻勢をかけてきたので、その 対抗策としてライバル企業が得意とする袋入即席麺に自社製品を大量投入するこ とにした。
  2. 先端技術をめぐって有力な大学や各種研究機関との共同研究を他社に先行して 確保し、自社の研究開発部門の強化を図ることにした。
  3. ライバル企業の得意とする技術分野は自社と異なっているが、ライバル企業の 技術分野に属する独立の企業を買収して、その技術を独占的に保有することにし た。
  4. ライバルの製品と技術差異はあるが、顧客は価格に敏感に反応するので、販売 網を再構築し、ライバルと同じ価格を守りながらシェアの増大を図ることにし た。
  5. 旅客ビジネスにおいて、硬直的な価格体系や画一的なサービスを提供している ライバル企業に対して、同一の路線を頻繁に利用する顧客のニーズに即して定時 運行を心がけ心温まるサービスの提供をすることにした。 ― 8― ◇M3(557―56)
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正解:

解答:ウ

〔戦略的競争の具体的可能性として最も不適切なもの〕 コスト・差別化の正面衝突以外の、競争相手の動きを牽制・けん制する戦略行動の妥当性を問う。

  • ア(×=適切):自社主力(カップ麺)を攻められたので、相手の得意領域(袋麺)に大量投入して相手の収益基盤を脅かす。相互抑止・報復による牽制戦略として妥当。
  • イ(×=適切):有力大学・研究機関との共同研究を他社に先行して囲い込み、研究開発力を強化するのは、希少資源の先取りによる優位確立として妥当。
  • ウ(○=最も不適切):ライバルの得意技術分野は自社と異なる(=自社戦略と無関係)にもかかわらず、その分野の独立企業を買収して技術を独占する、というのは、自社の戦略的ポジションと整合しない技術の抱え込みであり、戦略的合理性に乏しい。競争を有利に展開する具体的可能性としては不適切。よって正解。
  • エ(×=適切):価格に敏感な顧客に対し、同一価格を維持しつつ販売網を再構築してシェア拡大を図るのは、流通チャネルを通じた競争戦略として妥当。
  • オ(×=適切):硬直的・画一的なライバルに対し、頻繁利用客のニーズに即した定時運行ときめ細かなサービスで差別化するのは妥当な戦略行動。

よって

#競争戦略#M&A・提携#価格・チャネル戦略

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