第14問
次の英文は、カリフォルニア州法人であるABC 社と日本法人であるXYZ 社の 間で締結されたABC 社が販売するソフトウェアのライセンス契約書の一条文と する。この条文の記載内容について、最も適切なものを下記の解答群から選べ。な お、「SOFTWARE」とは、本ライセンス契約のライセンスの対象となっているソフ トウェア(以下「本ソフトウェア」という)を意味し、また、本契約書はもともと ABC 社から提案されたもので準拠法はカリフォルニア州法となっている。 IN NO CASE WILL ABC BE LIABLE FOR ANY CONSEQUENTIAL, SPECIAL, INDIRECT, INCIDENTAL OR PUNITIVE DAMAGES WHATSOEVER(INCLUDING, WITHOUT LIMITATION, DAMAGES FOR LOSS OF BUSINESS PROFITS, BUSINESS INTERRUPTION, LOSS OF BUSINESS INFORMATION, LOSS OF DATA OR OTHER SUCH LOSS)ARISING OUT OF THE USE OR INABILITY TO USE THE SOFTWARE, EVEN IF ABC HAS BEEN ADVISED OF THE POSSIBILITY OF SUCH DAMAGES. IN NO CASE WILL ABC ’ S AGGREGATE LIABILITY ARISING OUT OF THIS LICENSE AGREEMENT EXCEED THE ROYALTIES ACTUALLY PAID BY XYZ FOR THE SOFTWARE.
- ア XYZ 社が、本条に基づいてABC 社に対して損害賠償を請求する場合は、本 ソフトウェアをABC 社に返却しなければならない。
- イ 本条がすべて大文字により規定されている理由は、法的な効果と関係なく、 単に、ABC 社のXYZ 社に対する取引上の良心に基づき、目立つように記載さ れたものである。
- ウ 本条の規定は、ABC 社がXYZ 社に提供した本ソフトウェアを原因として損 害が発生した場合における、ABC 社の損害賠償責任の範囲を限定している。
- エ 本ソフトウェアの性能がABC 社と合意したレベルに至っていない場合、 XYZ 社は、本条に基づいて、ABC 社に対し実際に支払ったライセンス料を返 金してもらうことができる。 ― 20― ◇M5(557―133)
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正解:ウ
解答:ウ
〔リード〕英文ライセンス契約の一条文の読解問題。条文の趣旨は「いかなる場合もABC社は派生的・特別・間接・付随・懲罰的損害(事業利益の喪失、事業中断、情報・データの喪失等を含む)について一切責任を負わない。ABC社の本契約上の累積責任の総額は、XYZ社が実際に支払ったロイヤルティ(ライセンス料)を超えない」というもの。すなわちABC社の損害賠償責任の範囲を限定する**責任制限条項(limitation of liability)**である。英文契約でこの種の免責・責任制限条項を大文字で記載するのは、米国統一商事法典(UCC)等の下で「conspicuous(顕著・目立つ)」であることが要求されることに由来する法的意味を持つ。
- ア(×):「損害賠償を請求する場合はソフトウェアを返却しなければならない」という規定は条文に存在しない。
- イ(×):大文字記載の理由を「法的効果と関係なく取引上の良心で目立たせただけ」とするのは誤り。大文字(conspicuous)記載は責任制限・免責条項の有効性を確保するための法的意味を持つ。
- ウ(○):本条は、ABC社が提供したソフトウェアを原因として損害が発生した場合における、ABC社の損害賠償責任の範囲を限定(種類の限定および総額をロイヤルティ額に限定)している、という読み取りは条文内容に合致し正しい。
- エ(×):本条は責任の上限を画する条項であって、性能が合意水準に達しない場合に支払ったライセンス料を返金させる根拠(返金請求権)を定めたものではない。
よって ウ。