第9問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 わが国の製造業は、し烈化するグローバル競争に対応するため、積極的に海外で の生産活動を含めた事業展開を加速している。しかしながら、海外生産が拡大して いるものの、国内生産が一方的に縮小しているわけではない。経済産業省「工場立 地動向調査」を見ても、日本国内における工場立地は、2002年に調査開始以来の最 低水準を記録した後は回復基調で推移しており、2007年には件数・面積とも2002 年の倍以上の水準となっている。わが国の製造業は、海外生産拠点での生産を拡 大する一方で、 それぞれの優位性を勘案しながら、国内生産拠点の維持・拡大も 行っているのが実情である。中小製造業には、こうした状況を踏まえながら、 自ら の海外展開の是非を含めた存立基盤の再構築を行うことが求められている。 (設問) 文中の下線部について、海外生産拠点に対する国内生産拠点の一般的な優位 性として、最も不適切なものはどれか。
- ア 開発と生産現場の一体化により効率的な開発を行うことができる。
- イ 若年労働力を活用することによりコスト競争力を発揮できる。
- ウ 製造技術のノウハウ流出を防ぐことができる。
- エ 素形材産業の集積や熟練工を活用することができる。 ― 12― ◇M7(557―179) (設問) 文中の下線部について、総務省「事業所・企業統計調査」に基づき、2001年 時点と2006年時点で海外展開する中小企業数を製造業・非製造業別に比較した 場合、最も適切なものはどれか。
- オ 製造業より非製造業において、海外展開する中小企業数はより多く増加して いる。
- 非製造業、製造業とも海外展開する中小企業数は減少している。
- 非製造業では海外展開する中小企業数が増加しているが、製造業では海外展 開する中小企業数は減少している。
- 非製造業では海外展開する中小企業数が増加しているが、製造業では海外展 開する中小企業数は横ばいである。
- 非製造業より製造業において、海外展開する中小企業数はより多く増加して いる。 ― 13― ◇M7(557―180)
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正解:イ
解答:イ
設問1は、海外生産拠点に対する「国内生産拠点」の一般的な優位性として最も不適切なものを問う。
- ア(×・適切):開発と生産現場の一体化による効率的な開発は、技術者と生産現場が近接する国内拠点の優位性であり、適切。
- イ(○・不適切):「若年労働力を活用したコスト競争力」は、若く安価な労働力が豊富な海外生産拠点の優位性である。国内拠点の優位性ではないため、これが最も不適切。
- ウ(×・適切):製造技術ノウハウの流出防止は、技術管理が行き届く国内拠点の優位性であり、適切。
- エ(×・適切):素形材産業の集積や熟練工の活用は、産業集積と熟練人材を擁する国内拠点の優位性であり、適切。
よって設問1は イ。
なお設問2(総務省「事業所・企業統計調査」による2001年・2006年の海外展開中小企業数の製造業・非製造業別比較)は選択肢データが断片化している。この期間は非製造業の海外展開がより大きく増加した点が正答方向となることを補足する。