第15問
株式会社A(以下「A 社」という。)は、株式会社B(以下「B 社」という。)に対して継 続して商品を販売しており、B 社に対して売掛金債権を有している。最近、B 社か らの支払いが滞りがちなので、B 社の代表者C との交渉により、その支払いを確 実にしたいと考えている。A 社の対応として、最も不適切なものはどれか。
- ア B 社がA 社に対する売掛金債務の履行をしない場合の強制執行について認諾 した旨の記載がある公正証書を作成してもらう。
- イ B 社が第三者に対して有する売掛金債権について、A 社とB 社との間で集合 債権譲渡担保設定契約を締結し、これについて債権譲渡登記をする。
- ウ C 個人に無期限かつ金額の上限なくA 社のB 社に対するすべての売掛金債権 について口頭で保証してもらう。
- エ 既に存在するA 社のB 社に対するすべての売掛金債権について、新たに書面 でC 個人の連帯保証をしてもらう。 ― 17― ◇M5(743―133)
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正解:ウ
解答:ウ
〔リード〕A社がB社に対し継続的に商品を販売し売掛金債権を有するところ、B社の支払が滞りがちなため支払を確実にしたい。A社の対応として最も不適切なものを選ぶ。債権回収手段(公正証書・債権譲渡担保・保証)の要件が論点。
- ア(×=適切):B社が支払をしない場合の強制執行を認諾する旨の記載がある公正証書(執行証書)を作成しておけば、それ自体が債務名義となり、訴訟を経ずに強制執行ができる(民事執行法22条5号)。有効な対応で適切。
- イ(×=適切):B社が第三者に対して有する売掛金債権につき、集合債権譲渡担保設定契約を締結し債権譲渡登記をしておけば、第三者対抗要件を備えた担保を確保できる。適切。
- ウ(○=最も不適切=正解):保証契約は書面(又は電磁的記録)でしなければ効力を生じない(民法446条2項)。「口頭で保証してもらう」のは無効であり、債権回収の手段として実効性がない。さらに、個人が将来発生する不特定の債務まで保証する貸金等以外の継続的売掛金の根保証についても、極度額や期間の定めなく「無期限かつ金額の上限なく」とするのは保証人保護の趣旨に反し不適切。最も不適切でこれが正解。
- エ(×=適切):既に存在する確定済みの売掛金債権について、新たに「書面で」C個人の連帯保証を取り付けるのは、書面要件(民法446条2項)を満たし有効。適切。
よって ウ。