第7問
財政政策の理論に関する説明として、最も適切なものはどれか。
- ア 貨幣需要が利子率にまったく反応しない場合、政府支出の発動によってクラウ ディング・アウトは生じず、所得の増加がもたらされる。
- イ 経済が「流動性のわな」に陥った場合、政府支出を発動しても完全なクラウディ ング・アウトを招くのみで、景気押し上げ効果が発生しない。
- ウ 恒常所得仮説では、回かぎりの減税は可処分所得の増加と消費の拡大を引き 起こし、景気の拡大に寄与すると考えられる。
- エ 等価定理が成り立つ場合、人々は、財政赤字を伴う政府支出の増加は将来の増 税によって賄われることを予想するために、景気刺激効果は発生しない。 ― 8― ◇M1(023―10)
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正解:エ
解答:エ
〔リード〕財政政策の効果に関する諸理論(クラウディング・アウト、流動性のわな、恒常所得仮説、等価定理)の正誤を問う。
- ア(×):貨幣需要が利子率にまったく反応しない場合、LM曲線は垂直となる。このとき政府支出を増やしても利子率が上昇し投資が押し出され、完全なクラウディング・アウトが生じて所得は増加しない。記述は「クラウディング・アウトは生じず所得が増加」とするが逆で誤り。
- イ(×):「流動性のわな」ではLM曲線が水平となり、政府支出を増やしても利子率が上昇しないためクラウディング・アウトは生じず、財政政策の所得拡大効果は最大限に発揮される。「完全なクラウディング・アウトを招くのみ」は誤り。
- ウ(×):恒常所得仮説では消費は恒常所得(生涯にわたる平均的所得)に依存する。一回かぎりの減税は一時所得の増加にすぎず恒常所得をほとんど変えないため、消費を大きく拡大させず景気拡大効果は限定的。「消費の拡大を引き起こし景気拡大に寄与」は誤り。
- エ(○):(リカードの)等価定理が成り立つ場合、人々は財政赤字を伴う政府支出増が将来の増税で賄われると合理的に予想し、その分貯蓄を増やすため消費が抑制され、景気刺激効果は発生しない。正しい。
よって エ。